<かながわ未来人>将来の夢は防災絵本 地域貢献の「若者会議」設立 川崎市幸消防団員 那須野純花(なすの・あやか)さん(24)

2021年9月27日 07時25分
 ボランティアの活動を超えた地域貢献ができる−と感じたことが、消防団員になるきっかけだった。
 二〇一九年十月、台風19号が関東地方に上陸し、各地に甚大な被害をもたらした。川崎市内も所々で冠水し、活動の拠点としていた同市中原区のJR南武線、東急東横線の武蔵小杉駅周辺も水害にみまわれた。
 高校三年だった一五年九月に武蔵小杉を拠点とするごみ拾いボランティアのチームを自ら立ち上げ。地域貢献を目指す仲間は増え続け、活動以外でも心を許せる人の輪ができていた。
 その地元の人々が水害に苦しんでいた。一軒家やマンションの入り口付近には水没した家具や電化製品が山のように積み上げられていた。泥水の撤去も思うように進んでいなかった。
 そんな被害を前にボランティアではできることが限られていた。それでも消防団と行動を共にし、防災や災害の専門的知識に触れ、土砂撤去などを経験する中で「地域やその人々を守るために自分で行動できるようになりたい」という思いが膨らんだ。二十年春、大学を卒業して都内の広告代理店で働きながら、自宅のある同市幸区の幸消防団の門をくぐった。
 新人研修では心肺蘇生法講習や消防車のポンプ操法訓練などを受け、自主訓練で目や耳が不自由な人の救済法などを学んだ。「消防団の活動で地元がより身近になり、家族以外にも大切に感じる人が増えた」と地元愛がさらに高まった。
 今年四月には二十五歳以下の若者たちが地域貢献を目指すネットワーク「かわさき若者会議」を有志とともに立ち上げた。幸区が主催するコミュニティーカフェ事業の実行委員長も務め、七月に小学生対象の学習教室を開催。若者会議のメンバーとともに区の歴史や災害時の避難方法などを子どもたちに教えた。来年一月には五十歳以上のシニア世代を対象とする「スマホ教室」も開催予定だ。
 二三年三月で「卒業」となる若者会議には「若い人がアクションを起こすプラットフォームになってほしい」と期待する。絵を描くことが大好きで、将来の夢の一つが子どものための防災絵本を作ること。「文字が読めない幼児にも絵なら防災を伝えられる」と目を輝かせている。(安田栄治)
<かわさき若者会議> 25歳以下の若者たちが会員制交流サイト(SNS)などで連携して地域貢献を目指すネットワーク。現在は川崎市内7区から70人超が参加し、若者の視点によるこれまでにない活動を目指している。同市内で活動することに興味と関心があれば誰でも、26歳になる年度末まで参加できる。参加希望者は=電子メール kawasaki.wakamonokaigi@gmail.com=へ。

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