<社説>日米豪印が連携 中国との協力も大切だ

2021年9月28日 08時01分
 重層的な同盟・友好関係を構築して中国と対峙(たいじ)する−。バイデン米大統領の主催で開かれた日米豪印四カ国(クアッド)首脳の会合は、こんな対中戦略の一環である。同時に米国は中国との協力もおろそかにしてはならない。
 初の対面方式で行われた首脳会合は、中国を念頭に置いて「国際法に根差し、威圧にひるまず、自由で開かれ、ルールに基づく秩序を推進する」と宣言した共同声明をまとめた。
 伝統的に非同盟主義を外交の柱にするインドは、クアッドには慎重だった。そこを首脳会合にモディ首相を引っ張り出したことは、他の三カ国には意義が深い。
 これに先だって、米英豪三カ国は安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設した。クアッドが経済、気候変動、ハイテクなど幅広い分野での連携を目指すのに対し、オーカスは軍事・安保分野での連携を軸に据える。これも中国への対抗策である。
 「同盟再構築」を掲げるバイデン氏だが、オーカス創設に絡んでは、豪との潜水艦建造契約を破棄されたフランスを激怒させた。アフガニスタンからの独断的な撤退に続き、同盟諸国の不信を買う振る舞いは「トランプ前大統領と同じだ」と批判された。
 これでは同盟再構築はおぼつかない。バイデン氏は同盟国と綿密な協議を重ねて信頼を回復し、じっくり腰を据えた外交を進めるべきだ。
 バイデン氏は先の国連総会での演説で「新たな冷戦を望んでいない」と述べた。ところが、自由主義諸国との協調を進めるほど、中国、ロシアという異質な国々との分断が鮮明となる。
 新型コロナウイルスなどの感染症や気候変動といった地球規模の課題には国際社会の協調が欠かせない。米中はこうした課題で協力し合い、世界を主導していく立場にある。
 相互不信を募らせる米中が、意思疎通を欠いて決定的な衝突に至るのではないかと懸念する。それを防ぐためにも、両国首脳がひざ突き合わして話し合う機会が早く実現するよう期待する。

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