<差別なき社会へ>相模原市人権施策審議会 有識者にヒアリング 条例に刑事罰必要と指摘も

2021年9月25日 13時12分

市民や有識者らが参加しオンラインで開かれた相模原市人権施策審議会=同市役所で

 ヘイトスピーチ規制を含む人権条例の制定を検討している相模原市人権施策審議会で二十四日、有識者へのヒアリングが行われた。問題に詳しい師岡康子弁護士と、憲法学者の桧垣伸次・同志社大准教授が招かれ、市内の被害実態を踏まえ、条例に刑事罰を設ける必要性について見解を述べた。
 師岡弁護士は相模原市におけるヘイトスピーチの実例を列挙。二〇一九年の市議選に、排外主義政策を掲げる「日本第一党」の候補者が出馬した際の差別演説や「やまゆり園事件の犯人は在日コリアン」とするネット上のデマ、今年一月、市内の集合住宅にヘイト動画をつなげたDVDが配られた事例などを挙げた。
 「ヘイトの害悪を放置すれば必ず暴力へと結び付く。外国人集住地区のない相模原市でも現在進行形の問題だ」と指摘。刑事罰を設けた条例が施行された川崎市について「条例後、明白なヘイトスピーチはなされなくなった」として、川崎市条例を基にした刑事規制の必要性を説いた。
 桧垣准教授は川崎市条例を「合憲」と評価した上で「刑事罰は否定しないが、権力側の乱用や表現の自由の萎縮といった可能性は残る。非規制的施策を有効に用い、それでも悪質で抑えられない場合に、規制をするというのがベストだ」と見解を示した。
 非規制的施策としては、国や市長による「ヘイトスピーチを許さない」という声明や、差別に反対する団体を「人権配慮団体」として認証する制度などを挙げ、こうした施策が社会的規範をつくるとした。次回の審議会でヘイトスピーチ規制についての答申案を、市の事務局が示すことになった。(安藤恭子)

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