編集局社会部 蒲 敏哉 「『デスク』のつぶやき」

2021年10月13日 09時30分

恐らく、新聞をつくっている人たちの中で、仕事中に最もつぶやきが多いのはデスクではないだろうか。
心の中も含めて。
私が担当する社会部のニュースデスクは文字どおり机に張り付いてその日起きたことを把握しながら、記者から送られた記事のニュース判断をし修正、確認した後、紙面構成する整理部に提稿するのが主な仕事だ。
大きな事件や事故が起きれば記者や写真部員を現場に派遣しなければならない。要するに調整が仕事なのだ。
テレビのニュースを見ながら、原稿を見ながら、印刷前のゲラを見ながら常に自問自答する「これは大丈夫だろうか」と。
この行為は、端から見れば「独り言」つまり「つぶやき」だ。
私の場合、声が大抵大きくなる。
ふと周りの記者たちから複雑な(あるいは冷たい)視線を浴びていることに気付く。
「この人、大丈夫だろうか?」と。
夕刊、朝刊の編集作業は締切時間に向かってジェットコースターの様にすさまじい勢いで進む。そしていつも締切数分前に限って有名人が亡くなったニュースが飛び込んできたり「まだ直せますか」と記者から修正の電話が入るのだ。そんなときは思いっきり編集局内で「アー!」と叫びたいのだが、心の中で叫ぶ方が多い。(実際に叫ぶこともあるが)
朝刊担当の場合、自宅での食事は午前2時半過ぎ。
出来たてホヤホヤの新聞を見ながら「もう少し〇〇すれば良かった」とやっぱりつぶやいている。

※執筆記者の所属は2021年9月22日時点のものです。

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