北朝鮮が飛翔体1発を発射 EEZ外に落下か 菅首相「警戒強める」

2021年9月28日 21時02分
 【ソウル=相坂穣】韓国軍合同参謀本部は28日、北朝鮮が午前6時40分ごろ、北部慈江道 舞坪里から日本海側に向け、短距離ミサイルとみられる飛翔体1発を発射したと発表した。北朝鮮は今月、ミサイル発射を繰り返す一方、金正恩朝鮮労働党総書記の妹の金与正党副部長が対話再開もちらつかせ、米韓の反応を試す思惑がありそうだ。
 北朝鮮のミサイル発射は15日以来。日本政府は弾道ミサイルの可能性があり、排他的経済水域(EEZ)の外に落下したと推定。菅義偉首相は28日、記者団に「不測の事態に備えて万全の体制を整え、警戒監視を強める」と述べた。
 韓国軍は、今回のミサイルの飛行距離が約200キロで15日に発射された弾道ミサイルの約800キロより短く、高度も半分の30キロ程度だったと推定している。
 韓国の軍事専門家らは、ロケットのように急上昇する弾道ミサイルと、地上近くを飛ぶ巡航ミサイルの特性を兼備する新型ミサイルだった可能性も指摘。弾頭部分のみが分離してグライダーのように滑空しながら降下して探知が難しいタイプだったとの見方もある。
 発射地点の舞坪里は、2017年に大陸間弾道ミサイル(ICBM)が発射された地域で、北朝鮮が多様なミサイルの開発を進めているとの見方も出ている。

◆北朝鮮の国連大使 米韓に敵視政策の撤回要求

27日、米ニューヨークの国連総会で、一般討論演説を行う北朝鮮の金星国連大使==国連提供、共同

 北朝鮮の金星国連大使はミサイルの発射直後、米ニューヨークの国連総会の一般討論で演説し、米韓に合同軍事演習や戦略兵器配備の中止を要求。「われわれには自衛的権利がある。世界最大の核保有国である米国がわれわれを敵視したため核を保有する」と核ミサイル開発を正当化した。
 北朝鮮では28日、国会に相当する最高人民会議も開催されたもようだ。新型コロナウイルスや制裁の影響で経済が悪化した国内の結束に向け、正恩氏が掲げてきた戦略兵器開発の成果として新型ミサイルを誇示した可能性もある。
 韓国政府は同日、国家安全保障会議(NSC)を緊急開催し、遺憾の意を示したが、強い批判は避けた。一方、米国務省報道官は北朝鮮の今回の発射が、国連安全保障理事会決議違反の弾道ミサイルと断定し「国際社会に脅威を与えている」と非難、米韓の足並みが乱れた。

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