菅首相、最後の記者会見で実績を自画自賛「改革に道筋をつけた」 医療逼迫を招いた反省点には触れず

2021年9月28日 22時02分
緊急事態宣言などの解除を決定し、記者会見する菅首相。右は政府感染症対策分科会の尾身茂会長

緊急事態宣言などの解除を決定し、記者会見する菅首相。右は政府感染症対策分科会の尾身茂会長

 退陣表明した菅義偉首相は28日、官邸で最後となる記者会見を開いた。新型コロナウイルス「第5波」での新規感染者減少などを踏まえ、この1年の自らの実績を自画自賛する場面が相次いだ。一方で、東京五輪・パラリンピックの期間中には感染拡大が続き、医療提供体制の逼迫ひっぱくを招いたことなどの反省点にはほとんど言及がなかった。
 首相は「就任してから1年余り、新型コロナとの闘いに明け暮れた日々だった」と振り返った。ワクチン接種と治療薬の活用を重点的に実施してきたと指摘。「このまま進めば、世界でも接種が最も進んだ国の1つになる」と強調した。
 「長年の課題に挑み、改革に道筋をつけることができた」として、米国による福島県産を含む日本食品の輸入規制を全面撤廃させたことや、高齢者の医療費負担を2割に引き上げたことを成果として挙げた。
 その上で「首相としてさまざまな仕事に答えを出すには、1年は短すぎる」と話し、今後の課題として、高齢者の社会保障費の子ども対策への振り替えや、北朝鮮による日本人拉致問題解決を挙げた。
 反省点としては、新型コロナ感染拡大に病床確保が追いつかなかったことを挙げた。だが、東京五輪の開催が感染拡大につながったと批判を受けたり、国民に会食自粛を呼び掛けながら、自らは二階俊博幹事長と会食し、国民の不信を招いた点などには触れなかった。今後予想される第6波にも「ワクチンを打っているから、状況は(第5波と)かなり違うと思う」と楽観的見通しを示した。(上野実輝彦)

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