高輪築堤の調査は「破壊」 直ちに中止し保存拡大を 日本考古学協会があらためて声明

2021年9月28日 22時11分

JR高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発工事現場から見つかった高輪築堤跡=東京都港区で、本社ヘリ「おおづる」から

 日本考古学協会(辻秀人会長)は28日、JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側の再開発用地で出土した鉄道遺構「高輪築堤」で進められている解体を伴う調査に対し、直ちに中止し、遺構の現地保存範囲を広げるよう求める声明を公表した。
 声明では、進行中の調査を「(遺構の)破壊」という強い表現で非難。出土した約800メートルのうち、JR東日本が現地保存を決めた120メートルだけが国史跡に指定された点に「指定範囲はほんの一部。JR東の方針の追認にすぎない」と国の姿勢に疑問を投げかけた。
 さらに、「出土した土地は旧国鉄の民営化でJR東に移管されたもので、公共性は強い」と指摘。着手済みの再開発を見直すとともに、今後、計画を立てる隣接地区の再開発では、遺構を無条件で全面保存し、景観に生かすよう提言している。
 声明は25日付で、JR東や萩生田光一文部科学相など関係先に送付した。高輪築堤を巡って同協会が会長声明や要望などを公表するのは今年3月以降、6回目。
 辻会長は「協会の意見を受け入れないJR東に怒りを感じる。国民の宝と言える遺構を後世に残すため、粘り強く主張したい」と強調した。(梅野光春)

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