「脱原発依存」を明記 立憲民主、エネルギー政策で自民との違いを鮮明に

2021年10月1日 06時00分

遠州灘海岸沿いに建ち並ぶ風力発電の風車。奥は中部電力浜岡原発=静岡県掛川市で、本社ヘリ「おおづる」から

 立憲民主党が次期衆院選で公約するエネルギー政策の骨格が判明した。自民党との違いを意識し、政府の目標を上回る再生可能エネルギー比率の引き上げや、温室効果ガス排出量の削減を明記。「原発に依存しない」脱炭素社会の実現を掲げる。次の首相になる自民党の岸田文雄総裁は第2次安倍政権以降の方針を踏襲する意向。未曽有の原発事故から10年の節目の年に行われる政権選択選挙を前に、対立軸が鮮明になっている。(我那覇圭、妹尾聡太)

◆旧民主党時代、原発事故に直面

 「自然エネルギー立国」。立民は政権を獲得した場合に目指す社会をそう命名した。背景には、2012年12月発足の第2次安倍政権以降、原発推進への揺り戻しが強まっていることへの危機感がある。
 枝野幸男代表らは09年9月から3年3カ月続いた旧民主党政権時代、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故に直面。長く日本を覆った「安全神話」の崩壊を目の当たりにし、再生エネの普及促進にかじを切った。

◆「再生エネ比率50%」野心的な数値目標掲げる

 苦渋の経験を踏まえ、近く公表するのが次期衆院選公約だ。「原発のない社会に向けた不可逆的な方針を速やかに確立する」と明記し、自民党内で待望論が強い新増設も認めない方針を示す。
 さらに30年時点で、温室効果ガスの排出量を13年比で55%以上減らし、19年度で約18%だった発電の再生エネ比率を50%まで引き上げる目標も設定した。政府方針はそれぞれ46%減、36~38%程度。立民が掲げるのは野心的な数値だが「劇的な技術革新がなくても達成可能」(立民関係者)と判断した。
 立民は綱領で「原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と打ち出している。原発の活用を求める財界と密接な関係にある自民党の政権下では脱原発の取り組みに限界があるとして、原発ゼロや脱炭素社会にかける意気込みを訴え、自民党との違いをアピールする構えだ。

◆岸田自民は従来の政府方針を踏襲

 岸田氏のエネルギー政策は独自色に乏しく、従来の政府方針をなぞった内容が目立つ。
 先に出演したNHK番組では、デジタル化の進展に伴い、電力使用量が爆発的に増えるという見方を紹介。「再生エネの一本足打法では、価格(抑制)や安定供給の点で十分ではない」と強調した。
 政府の温室効果ガス削減目標を達成するためとして、原発の活用を続けることも容認の立場だ。岸田新政権に影響力を保持するとみられる安倍晋三前首相らは、新増設やリプレース(建て替え)を主張。岸田氏は、現時点では検討していないと言うが、米国などで研究開発が盛んな小型原発については将来的な実用化に向けて「日本もしっかり考えていくべきだ」と語っている。
 総裁選中の9月21日、オンラインで会談した日本商工会議所の三村明夫会頭から、安全性を確認した原発の活用などを求められた岸田氏。脱炭素社会の実現に向け、原発利用も含めたエネルギー政策を用意すると応じた。

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