岸田総裁誕生 衆院選、与野党臨戦態勢へ 「脱原発」 河野氏敗北、安堵の声も

2021年10月1日 07時25分

本会議前に議場で談笑する自民党県議ら=県議会で

 自民党の岸田文雄新総裁誕生から一夜明けた三十日。総裁選で岸田氏を推薦した自民県議団(いばらき自民党)には、衆院選の顔となる新しいリーダーへの期待と、敗れた河野太郎行政改革担当相がトップだった県内党員・党友票との「ねじれ」に対する複雑な心境が交錯した。衆院選の野党候補者からは、自民への追い風を警戒する声も上がった。(保坂千裕、長崎高大)

◆アピールに一役

 岸田派国会議員の地元選出の県議は、総裁選を「党員以外の国民からの関心も高かった」と振り返り、衆院選に向けた党のアピールに一役買ったと評価。一方、岸田氏の支持獲得に奔走したにもかかわらず、党員票で河野氏の後塵(こうじん)を拝したことには「五十点」と辛く自己採点した。
 河野氏に投票した国会議員の地元選出県議は、党員投票の結果を「河野さんは何度も選挙の応援に来てくれて、地元では人気がある。意外性はない」と受け止め、岸田氏の看板で衆院選を迎えることには「影響は全くない」と言い切った。
 国政で自民と連立を組む公明党の県本部代表を務める高崎進県議は「党外からも非常に関心の高い総裁選だった。岸田新総裁を歓迎したい」と好意的な評価。衆院選への影響については「コメントする立場にない」と述べるにとどめた。

◆「天罰」とばっさり

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働に向けた動きが進む中、自民きっての「脱原発」派で知られ、総裁選でも核燃料サイクルの中止を訴えた河野氏の敗北に胸をなで下ろした自民県議もいる。
 河野氏には、県内の野党系地方議員でつくる「東海第2原発の再稼働に反対する茨城県自治体議員連盟」に招かれて講演し、自民県連の抗議を受けた過去がある。河野氏を激しく批判してきた県議の一人は、「天罰だ」と顔をほころばせた。
 県連代表代行の海野透氏は「脱炭素や安定したエネルギーのために、原子力は必要だ」と強調した。

◆「やりやすい」

 一方の野党側。衆院茨城3区で立憲民主党から立候補を予定する新人梶岡博樹氏は、岸田氏には安倍晋三前首相らの影がちらつくと指摘し、「がらっと変えられる河野さんより、岸田さんの方がやりやすい」。国民世論に比較的近いとされる党員の意思が国会議員と割れたことについては「国民の声が届かない党だと証明された」と語り、「野党が国民の声を聞くと訴えていく」と闘志を燃やした。
 無所属で衆院1区から出馬予定の元職福島伸享(のぶゆき)氏は、「岸田自民党」の発足を「(選挙は)党より人物。全く関係ない」と冷静に受け止めた。岸田氏については「大きなミスがない」として、野党に逆風となる可能性にも言及した。
 共産党県委員会の上野高志委員長は「候補者はいずれも安倍・菅政権を支えた人で、誰が勝っていたとしてもそれを引き継ぐ自民党政治は変わらない。結果がどうあれ、『野党連合政権』を実現すべく衆院選に向けて準備を進めていくだけだ」と話した。
衆院選2021
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