<くらしの中から考える>新品と中古品

2021年10月1日 09時23分
 皆さんは欲しいものを新品で買うか、中古で買うか迷ったことはありませんか? 自分が使わなくなったものを誰かに譲ったことのある人もいるかもしれませんね。今月は、循環型社会に向けた取り組みを進めようと、国が定めた「3R(スリーアール)(リデュース・リユース・リサイクル)推進月間」です。この機会に新品と中古品、それぞれの良さを考えてみましょう。(吉田瑠里)
 中古品を売買するリユース(再使用)市場は広がっている。環境省によると、二〇一八年度の市場規模は三兆二千億円で、三年前と比べて一千億円ほど多い。特にベビー・子ども用品やゲーム機器などが増えた。
 最近はフリーマーケット(フリマ)アプリが普及し、誰でもスマートフォンで手軽に売買できるようになったことも理由の一つだろう。中古品は新品より安く買えることが多い。中古でしか手に入らない昔のゲームソフトやスニーカーなど、「珍しい」と人気を集めるものも少なくない。
 大手広告代理店の博報堂が一月、十六~六十九歳の四千百二十五人に買い物の意識を聞いたところ、若い世代ほど「新品を買わずに中古品を買う」「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」という人が多い傾向が見られた。同社の亀田知代子さん(44)は「以前は新品を買うことが豊かさの象徴だった。新品に囲まれて育った若い世代は新しさより自分の好みを大事にする」と分析する。
 「中古品を買うことはほとんどない」と言うのは横浜市の男性(73)だ。八人きょうだいの末っ子で、幼い頃はお下がりばかり。大人になって自分で働いたお金で流行の最先端の新品を買うことに喜びを感じたという。「他人が使ったものには抵抗がある。安心できる新品を買い、壊れるまで使えばいい」
 一方で、博報堂が一九九六年から二年おきに、二十~六十代の男女約三千人を対象に行ってきた調査では、新製品・新商品に関心を持つ人が徐々に少なくなっている。亀田さんは「新しいものをつくり出すことで世の中が便利に、より良くなる。新品のその価値は変わらない」と指摘する。
 ただ、環境に負荷を与える面も。環境省が今春発表した調査結果によると、国内で一年間に供給される衣服は三十五億着。一着を作るのに排出される二酸化炭素(CO2(シーオーツー))は二五・五キロ(ペットボトル二百五十五本の製造分)で、使われる水の量は二千三百リットル(浴槽十一杯分)と推計された。家庭や事業所から手放される衣服のうち、リユースされるのは20%。同省は一着を大事に長く着ることや古着を楽しむことなどを呼び掛ける。
 ものをつくる過程で資源やエネルギーを使いすぎていないか、原材料の産地で環境破壊が起きていないか?という視点も求められている。亀田さんは「商品を買うときは価格やデザインだけでなく、いろんな面から見て選んで」と話す。

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