脱炭素政策に揺り戻し? 小泉環境相「それなりにあるでしょうね。それが権力闘争の現実」

2021年10月1日 15時15分
閣議後の記者会見で質問に答える小泉進次郎環境相(環境省のYouTubeより)

閣議後の記者会見で質問に答える小泉進次郎環境相(環境省のYouTubeより)

 小泉進次郎環境相は1日の閣議後の記者会見で、菅義偉政権が打ち出した2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)社会の実現に向けた政策について、岸田文雄新政権の発足により「それなりの揺り戻しはあるだろう。それが権力闘争の現実です。ただ法律で位置付けたカーボンニュートラルを否定することはないと思う」と述べた。
 岸田氏が自民党幹事長や首相秘書官に、経済産業相や同省次官の経験者を起用したことで安倍政権時のような「経産省政権」が復活するのではと問われ、答えた。
 小泉氏は自民党総裁選で応援した河野太郎行政改革担当相と共に、政府が見直しを進めたエネルギー基本計画の改定案に、再生可能エネルギーの拡大に向けて「最優先の原則」を盛り込むことに力を入れた。また改定案では、原発を「可能な限り依存度を低減する」として、産業界が強く求める原発の新増設に踏み込まなかった。
 一方、岸田氏も原発の新増設には慎重姿勢だが、新増設の必要性を主張して総裁選中にエネルギー基本計画案の見直しに触れた高市早苗前総務相が、自民党政調会長に就任することになっている。
 エネルギー基本計画の改定案は10月4日まで国民からの意見公募(パブリックコメント)を実施中。小泉氏は会見で「基本計画(案)を見直すということがあれば、何を見直すのか明らかにしてほしい」とくぎを刺した。その上で、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)や気候変動対策を議論する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を間近に控える中、「再生エネの最優先原則、原発依存度の低減していくのは大きな方向性。政府のプロセス、党内の正式なプロセスをへた上での案の了承だから、それが大きく覆る、大きな方向性が曲げられることは現実的には考えられないと思う」と強調した。
 また、仮に再生エネ最優先原則が変えられたとしたら「それは間違いなく後退でしょう。6月の骨太の方針、そして成長戦略の中にも入っているので、これを変えるということは成長戦略も変えるということ。私は考えられないと思います」と述べた。
 菅政権では2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2030年度に温室効果ガスを13年度に比べて46%削減すると、国際的に約束。小泉氏は、岸田氏に対して外交の場で「日本の新総理が気候変動対策にどう望むのかを世界に発信してほしい」と話した。(小川慎一)

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