「高齢者の転倒を減らしたい」介護施設で歩行支えるインソールをオーダーメード 「スケートインソール」<挑む>

2021年10月3日 05時50分

高齢者の歩行を安定させる靴の中敷きを開発した名取良子社長=東京都江東区で

 フィギュアスケート靴の中敷き(インソール)を製造販売する「スケートインソール」(渋谷区)が、介護施設でオーダーメードのインソールを使ってもらう取り組みを進めている。

◆「人ごとではない」

 きっかけは、名取良子社長(44)の80代の母親がよく転ぶようになったこと。加齢とともに筋力が低下すると土踏まずがなくなり、足のアーチが崩れて体重を支えにくくなると言われる。コロナ禍で外出が減り、脚力も衰えやすい。名取社長は「人ごとではない」と開発を始めた。
 もともと、硬い氷の上でジャンプするスケート選手の足を守るため、着地時の強い衝撃をやわらげるインソールをつくっていた。しかし、コロナ禍の渡航制限で海外大会への出張販売ができず、海外売り上げは9割減。別の柱をつくる必要を感じたことも、高齢者向け市場への挑戦につながった。

◆老人ホームで好評

 同社のインソールは、個々人の足のサイズや歩き方に応じ、数百のプラスチック素材などを組み合わせ、靴底に敷いて足裏の土踏まずを持ち上げる。靴底と足裏の間に「空間」ができ、足をアスファルトに着けた時の衝撃が体に伝わりにくくなって、歩行時のふらつきが減るという。
 「歩行が安定した」。介護大手「SOMPOケア」が都内2カ所で運営する老人ホームで昨秋、入居者に使ってもらったところ好評だったという。今では、千葉や埼玉の高齢者施設11カ所でも試験的に導入している。より多くの人たちに試してもらおうと、10月中旬からクラウドファンディングサイトでも売り出す。「軽く、長く、楽に歩けるように。高齢者の転倒を減らしたい」(大島宏一郎)

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