自民新執行部は「政治とカネ」再燃の船出 甘利氏、麻生氏、小渕氏…問われる説明責任

2021年10月2日 06時00分

 自民党は1日の臨時総務会で甘利明幹事長、福田達夫総務会長、高市早苗政調会長、遠藤利明選対委員長の党四役を正式決定した。岸田文雄総裁は就任に際して「生まれ変わった自民党を国民に示す」と意気込んだが、甘利氏は金銭授受問題で閣僚を辞任した経緯があり、他にも問題を抱えた新役員が多い。野党側は甘利氏らを追及し、安倍・菅政治の「政治とカネ」を含む「負の遺産」の清算に後ろ向きな新政権の体質を浮き彫りにする構え。(山口哲人)
 岸田氏は党本部で記者団に、甘利氏の疑惑に関して「捜査が行われ、本人も秘書も不起訴の結論が出ている。(起用に)迷いはなかった」と明言した。
 甘利氏は経済再生担当相だった2016年、口利きを求める建設業者から自身と秘書が受け取った計600万円のうち300万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが発覚。閣僚辞任で幕引きを図り、説明を尽くしていないと批判されている。
 だが、甘利氏は安倍晋三前首相、麻生太郎副総理と盟友関係にある。総裁選でも岸田陣営の選対顧問として活動し、重職で起用されるとみられていた。
 幹事長として初めて臨んだ記者会見では「複数回会見し、答えられなかったところは文書で出した」と反論し「(当時は)事情を全く知らされていなかった」と改めて潔白を主張した。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は国会内で記者団に「甘利氏はいずれ国会で説明すると話したまま、一切せずに今日に至っている」と批判し、国会の政治倫理審査会への出席や予算委員会の証人喚問に応じるよう要求。来週に野党4党合同の検証チームを立ち上げると明らかにした。
 岸田氏は四役以外でも、森友学園問題の再調査を否定する麻生氏を党副総裁に内定。経済産業相だった14年に関係する政治団体が主催し支持者らが参加した観劇ツアーの支出が収入を大幅に上回ったことが発覚して閣僚辞任に追い込まれた小渕優子氏を組織運動本部長に任命した。
 立民の枝野幸男代表は1日の記者会見で「自民党は変わらない、変われないことがさらに明確になった」と強調した。

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