固形物吐き出すのに無理に食べさせる ウィシュマさんの映像一部、代理人と遺族が視聴 

2021年10月4日 12時34分
ウィシュマさんの映像の全面開示を求め、出入国在留管理庁に要請後、取材に応じるポールニマさん=9月10日、東京都内で

ウィシュマさんの映像の全面開示を求め、出入国在留管理庁に要請後、取材に応じるポールニマさん=9月10日、東京都内で

 名古屋出入国在留管理局に収容中の3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の妹ポールニマさん(27)が、収容中のウィシュマさんのビデオ映像の一部を弁護団と視聴したことが分かった。今後、視聴した内容などに基づき、弁護団は、東京か名古屋地裁で、国に対し損害賠償請求を行う方針だ。弁護団は、5日にも視聴の結果について会見する予定で「人間として扱われていない。真相解明には、他の全映像の開示が不可欠だ」と訴えている。(望月衣塑子)
 名古屋地裁での証拠保全手続きの一環で、今月1日に視聴。2月下旬からウィシュマさんが亡くなる3月6日までの7日間、計約1時間半の映像を視聴した。
 弁護団によると、3月3日午後6時すぎの映像では、ウィシュマさんにバナナの他、チキンのトマトソース、オニオンなどの食事が出されたが、ウィシュマさんが固形物を全て吐き出しているのに、無理に食べさせようとしていた。
 亡くなる前日の3月5日午前9時すぎには、失禁したウィシュマさんに職員が「頑張るしかない」などと言い、トイレに行かせようと無理やり体を起こそうとし、痛みからか、ウィシュマさんが「あーあー」「あーいらない」と大きな悲鳴を上げていた。
 同日午後6時すぎには、職員の上司が、ウィシュマさんに仮放免が認められたら支援者の人のところに行くのかと声を掛けたが、ほとんどウィシュマさんが反応せず、眠ってしまうような状態だったという。
 ポールニマさんは時折、涙を流しながら視聴し「悲しいよりも怒りでいっぱい。なぜ救急車を呼ばなかったのか。姉を助けられたのに助けなかった」と話した。
 遺族らは弁護士立ち会いの上での映像の全面公開を出入国在留管理庁(東京)に求めてきたが、応じていない。
 指宿昭一弁護士は「一部だけを見ても入管はウィシュマさんを人間扱いせず、物のように扱っていた」と怒りを口にした。駒井知会弁護士は「食べられないのに点滴もせず固形物を口に入れる様子は、虐待にしか見えなかった。入管が、時間を引き延ばし、映像提出を拒み続けているが、真実にふたをすることは絶対できない」と力を込めた。

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