香港証取が「中国恒大」の株取引停止…理由は不明、習指導部の直接救済の可能性低く

2021年10月4日 19時58分
香港の中国恒大集団の本社

香港の中国恒大集団の本社

 【北京=白山泉】香港証券取引所は4日、経営難に陥っている中国不動産大手の中国恒大集団とグループの不動産管理会社の取引を停止したと発表した。停止理由は不明だが、習近平指導部は「共同富裕」を掲げて貧富の格差縮小を目指しており、不動産バブルと事業多角化で負債が拡大した企業を直接救済する可能性は低いとみられる。同社は資産切り売りなどで債務危機回避を図るが、投資家の不安感は依然強い。
 ロイター通信によると、恒大は9月23日と29日が期日とする米ドル建て社債の利払い計1億3000万ドル(約144億円)を実行しなかった。30日間の猶予期間後に債務不履行となるのかが当面の焦点だが、10月にもこれを上回る額の利払いが期日を迎える。
 恒大の負債総額は1兆9000億元(約33兆円)に上り、保有資産の売却で支払資金の捻出を図っている。9月末には、傘下の地方銀行、盛京銀行の株式を約100億元(約1700億円)で遼寧省瀋陽市の政府系国有企業に売却すると発表。所有するサッカーチーム広州FCのイタリア人監督の契約も解除した。
 香港メディアは4日午後、香港市場に上場する不動産会社「合生創展」が、恒大グループの不動産管理子会社「恒大物業」の株式51%を400億香港ドル(約5700億円)以上で購入する予定だと報じた。
 恒大創業者の許家印氏は、米誌フォーブスで2017年の「中国一の富豪」に選ばれた人物。習指導部が格差縮小政策に舵を切る中、富裕層を象徴する企業の救済は現実的ではないとの見方も強まっている。
 一方、建設中のマンションが途中で放置され、物件の引き渡しが行われていないケースも多い。恒大が手掛ける投資向け金融商品を購入した中間層も少なくなく、この償還が遅れれば庶民の怒りから社会不安につながる恐れもある。恒大が本社を置く深圳市の規制当局は、同社傘下の投資商品販売会社が金融商品を払い戻さなかったことを問題視し、調査に入っている。

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