【詳報・第4回】3人点滴中毒死 「信じていたのに…」母は平手打ちし、抱きしめた 久保木被告は泣き崩れた 

2021年10月7日 10時00分
 横浜市の旧大口病院(現横浜はじめ病院・休診中)で2016年に起きた点滴連続中毒死事件で、入院患者3人の点滴に消毒液を混入し、殺害した罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の第4回公判が6日午前11時から、横浜地裁(家令和典裁判長)で開かれる。元同僚と久保木被告の父親が出廷するほか、母親の供述調書の読み上げが予定されている。裁判の模様を速報する。

旧大口病院の点滴連続中毒死事件 起訴状によると、久保木被告は2016年9月15~19日ごろ、いずれも入院患者の興津朝江さん=当時(78)=と西川惣蔵さん=同(88)、八巻信雄さん=同(88)=の点滴に消毒液を混入して同16~20日ごろに殺害し、さらに殺害目的で同18~19日ごろ、点滴袋5個に消毒液を入れたとされる。

久保木愛弓被告

元同僚をじっと見つめる

  午前10時58分、久保木被告が出廷。グレーのスーツに髪の毛を後ろに一つにまとめ、細縁のめがねをかけている。手にはハンカチを持ち、証人として出廷した元同僚の顔をじっと見つめた。

「ミスなく自分の業務を全うしていた」

 午前11時1分に開廷した。元同僚の女性看護師への証人尋問が始まった。
 元同僚は2016年9月の事件当時、亡くなった3人が入院していた旧大口病院の3病棟に看護師として勤務。看護師歴は当時25年だった。検察官から「終末期医療の患者が多かった?」「患者を看取ることが多かった?」「(死亡した)興津さんのように整形外科から来た患者さんもいて退院する人もいた?」と尋ねると、いずれも「はい」と答えた。
 この看護師は日勤(午前8時半~午後5時半)として勤務していた。久保木被告が夜勤(午後4時~翌日午前9時)の時には、引き継ぎで申し送りをする際に週2回ほど顔を合わせていた。
検察官「被告の印象は」
元同僚「おとなしい感じの人でした」
検察官「なぜそう思った」
元同僚「自分から話しかけることはないが、聞いたら答えてくれました」
検察官「エピソードは」
元同僚「休憩後、看護師が控え室で雑談をするのですが、久保木さんは輪には加わっていたが自分から話すことは少なかったです」
検察官「プライベートのことを話すことは」
元同僚「どこから通っているの?と聞いたら答えてくれました」
検察官「それ以外は」
元同僚「覚えていません」
検察官「休みの日の話は」
元同僚「何をしていたのと聞くと出かけていたと答えていました」
 続いて検察官は、元同僚に被告の勤務態度を尋ねた。元同僚は「まじめに勤務していました」と話し、遅刻や無断欠勤もなかったと証言した。
検察官「看護師の仕事に支障をきたすようなことは」
元同僚「ありません」
検察官「そう思う理由は」
元同僚「ミスなく、自分の業務を全うしていました」
 元同僚はあいさつをすれば久保木被告から返事があり、会話が成り立たないこともなかったと説明した。
検察官「申し送りのときの様子は」
元同僚「うなずきながらメモを取っていました」
検察官「被告がひどくふさぎ込んでいたことは」
元同僚「あまり記憶にありません」
検察官「呼びかけたら応じてくれた」
元同僚「はい」
▶次ページ 久保木被告「さっきまでは大丈夫だったのに」
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