【詳報・第4回】3人点滴中毒死 「信じていたのに…」母は平手打ちし、抱きしめた 久保木被告は泣き崩れた 

2021年10月7日 10時00分

「私、事件に関わっています」

 さらに検察官は、久保木被告の母親が7月3日に話した調書を読み上げた。
 久保木愛弓の母親です。2018年6月27日警察で事情聴取を受けていることを愛弓から聞いていました。患者さんにヂアミトールを点滴して亡くなっていることはマスコミを通じて知っている。
 18年6月30日、午後6時20分、自宅にいるとき愛弓から携帯電話に電話がかかり、「実は私、事件に関わっています」と告げられました。何の事件に関与しているとは言わなかったけれど、その日に愛弓が大口病院の事件で事情聴取を受けると聞いていたので、何の事件か聞くまでもなかったです。ただ、一人なのか複数なのかわからない。一人でするような子とは思えず、「一人でやったの?」と聞くと「そう」と答えました。

「信じていたのに」

 愛弓が犯人であると、愛弓自身が話したことは、信じられませんでした。以前聞いたときには、否定していたので。まったく疑うことはなかったです。話したのは、それほど長くなく、すぐに警察と電話が代わりました。両親にも話を聞きたいので、今から行きますといった主旨でした。電話を切り、夫に事件の犯人が愛弓だと、愛弓が話しているというと、青天のへきれきで「信じられない」といったようでした。
 警察が家にきて、「逮捕まで時間がある。ホテルを用意するので近くで見守ってほしい」と言われました。6月30日の夜遅く、ホテルに着きました。愛弓はいませんでした。案内された部屋で待っていましたが、愛弓は顔を見せられないようで、なかなか来ませんでした。愛弓が部屋(アパート)に置きっ放しにした愛弓の薬を取りに行きました。部屋から戻ってくると夫と愛弓がいました。「ごめんなさい」と謝ったようでした。
 (私が離れている間に)主人と話したようですが、主人にただ「ごめんなさい」と言ったようでした。ホテルに戻って少し待った後、私たちと会う覚悟ができたようで、警察の人に連れられて、私と主人がいる部屋に入ってきました。私が最初にしたことは、ほほを平手でたたいたことでした。たたくと同時に体を抱きしめ、「なんでこんなことをしたの、信じていたのに」と言いました。愛弓は答えることなく、ただただ泣いていました。

「辞めれば良かったのに」

 その日は二段ベッドの上は主人、下は私と愛弓で寝ました。「なぜこんなことをしたの」と聞いたと思います。愛弓は(最初の)病院で勤務していたとき、急変した患者の家族から強い言葉を言われて怖い思いをした、大口病院でも同じような経験をしたことを話してくれました。
 急変の患者には関わりたくない、遺族から強い言葉で言われたくない。自分に当たらないようにするために事件を起こしたと。私は「つらかったでしょ、こんな事件を起こす前に辞めれば良かったのに」と言いました。愛弓はそうだよねという表情をしたように思います。
 7月1日の朝、部屋らか送り出すとき、神妙な顔で「お世話になりました。全て話してきます」と言っていました。私は頷いたように思います。
 6月27日、28日は精神的に不安定だったのか電話口で泣いていました。大口病院でのことを警察に話してからは、幾分落ち着いたように感じます。
 裁判が閉廷した。第5回公判は11日開かれ、久保木被告への被告人質問が行われる。
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