【詳報・第4回】3人点滴中毒死 「信じていたのに…」母は平手打ちし、抱きしめた 久保木被告は泣き崩れた 

2021年10月7日 10時00分

旧大口病院に事件後にはられた張り紙

久保木被告「孤立した風には見えず」

 続いて弁護側が、元同僚の看護師に久保木被告の勤務状況等を尋ねた。
弁護士 久保木さんと親しかったですか?
元同僚 特に親しい感じではなかったですが、業務に支障をきたすことはなかったです。
弁護士 (久保木さんは)まじめに勤務していた。
元同僚 はい。
弁護士 久保木さんが睡眠薬を飲んで遅刻することはなかったですか?
元同僚 私の記憶にはないです。
弁護士 欠勤したことは?
元同僚 記憶にはありません。
弁護士 (久保木さんは)看護師の中にはいるけれど、積極的に話はしなかった。
元同僚 はい。
弁護士 看護師仲間の中で孤立してしまってはいなかったですか?
元同僚 そういう風には見受けられませんでした。
 さらに弁護側は、西川さんの死亡の状況についても確認した。
 捜査関係者によると、久保木被告は捜査段階で「自分の勤務時間に患者が亡くなると、遺族への説明が面倒だった」と供述。日勤の元同僚らがいた午後5時ごろ、重篤だった西川さんの病室に行き、投与中の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入して西川さんを殺害したとされる。
 元同僚は西川さんが亡くなったことについて「決していい状況で入院してきたわけではないんですが、急激に変わるようには見受けられませんでした。小康状態のような感じだったと思います」と説明。西川さんが亡くなった後は、自分と夜勤の准看護師が相談して、西川さんの死後の処置を日勤が行うことに決めたと説明した。

事件前に複数のトラブル「ありえないことが…」

 弁護側は16年9月の事件前に、病院内で起きた複数のトラブルについても尋ねた。
弁護士 「16年4月ごろ、エプロンが切り刻まれたことありましたか?」
元同僚「はい」
弁護士「16年4月で間違いないですか?」
元同僚「4月かどうかは覚えていませんが、あったことは覚えています」
弁護士「ポーチに針が刺されたことは」
元同僚「はい」
弁護士「証人のものでしたか?」
元同僚「違います」
弁護士「別の看護師のものだった」
元同僚「はい」
弁護士「夏ごろ、看護師の印鑑が壊されたと聞いたことは?」
元同僚「今初めて聞きました」
弁護士「他にナースステーションで変わったことは?」
元同僚「退職された方がペットボトルの飲料水を差し入れられ、個々の名前を記載して控え室においてあったことはありました」
弁護士「ペットボトルで、変わったこととは?」
元同僚「そのペットボトルの1つに異物が入っていたことがあって、それを知らずに飲んだ看護師がいたと聞きました」
弁護士「その場にいましたか?」
元同僚「その場にはいなかったですが、後日、同僚から話を聞きました」
弁護士「いくつかの不思議なできごと。どう感じましたか?」
元同僚「うーん。あってはならないこと、普段ならありえないことが起こっているので、何か解決策はないか話をしておりました」

責任問われた場に被告も

 弁護士に続き、裁判官が終末期医療の現場で亡くなる患者が多いことが負担になるかについて尋ねた。元同僚の看護師は旧大口病院に4年勤務していたが、負担については「私は特になかったと思います」と説明。「終末期医療の心理的な負担を理由に辞める人はいたのか」との問いにも、「ほかの病棟でも亡くなる人はいたので、負担感は変わらないと思います」と語った。
 患者の死後に遺族から責任を問われるような厳しい場面があったかについては、元同僚は一度はそういうことがあったとした上で「でも1人で対応するのではなく、医師やスタッフもいるので負担は少ないと思う」と語った。この際には久保木被告やほかの医師らがいたという。
 ここで裁判が休廷した。
▶次ページ 被告と両親 600万円の一部賠償金

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