【詳報・第4回】3人点滴中毒死 「信じていたのに…」母は平手打ちし、抱きしめた 久保木被告は泣き崩れた 

2021年10月7日 10時00分

横浜地裁の法廷

「愛弓、もう少し頑張ってみたら」

 看護学校を出て、横浜市の病院に勤めた久保木被告は、その後、旧大口病院に転職した。この際、父親には「相談はなかった」という。2016年9月に事件がある数カ月前に、久保木被告は病院を辞めたいと話していたという。 
弁護士「大口病院を辞めたいというのは?」
「家内からですけど、聞いたことがあります」
弁護士「いつごろ?」
「2016年5月か6月。春先だったと思います」
弁護士「仕事を辞めるかもしれないと知らされ、どう対応したのか」
「家内が電話で聞いていた。家内が『愛弓、もう少し頑張ってみたら。辞めるのはもったいないよ』と言ったと聞いた」
弁護士「事件への関与が分かる前、愛弓さんが悩んでいた様子はあったか」
「ないです」

「こんなことやる子じゃない」

 久保木被告は、2016年9月20日に死亡した患者の点滴袋に消毒液が混入している事件が発覚した後、同年11月ごろに実家に戻った。 
弁護人「事件とあゆみさん、思い当たることは」
「ない」
弁護人「生活態度や生い立ちと事件とつながるか」
「つながらないです」

「愛弓の結婚式のための貯金だった」

 さらに、父親は久保木被告が逮捕後の精神鑑定のために入った病院でトイレの便器に雑誌を詰めたと、医師から聞かされた際の心境をこう語った。
父親「私が見ていたあゆみからは想像がつかない悪さをしていた驚かされた。小さい頃のあゆみと違う。精神が破壊されたのかと。こんなことをやる子じゃないと伝えたと思う」
弁護人「被害の一部弁償。何のための貯金か」
「愛弓の結婚式のため」

「大変申しわけありませんでした」

 そして弁護人に「遺族に言いたいことは」と尋ねられると、父親は検察官の後ろに座る遺族の方を向いて立ち上がり、言葉を詰まらせながら頭を下げた。「今回の事件で、遺族の皆様には大変つらい思いをさせました。大変申しわけありませんでした」
 さらに「今後の償いは」と尋ねられると、父親は「できる限りと考えております」と語った。
 弁護側の質問が終了した。
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