真・東京03探検隊 「いざという時に知っておきたい! 防災の心得」(池袋防災館 後編)

2021年10月27日 09時50分

お笑いトリオ“東京03”が、大人の好奇心を満たすディープな世界に飛び込む!


お笑いトリオ「東京03」のメンバーが、これまで知らなかった未知なる世界に足を踏み入れ、さまざまな新発見と出合う人気の連載。
考古学、芸術、科学、サブカルなど、あらゆる分野に触れて見聞を広め、“デキる大人”としてのたしなみを磨きます!

体験を通して防災を学ぶ

 地震や火災をはじめ、いつ自分の身に降りかかるか予測ができない災害。平和な毎日のなかでは意識が薄くなりがちですが、防災に関するしっかりした知識を持っておくことはとても大切なこと。自分だけでなく、周りの人々の命を守ることにもつながります。緊急時でも落ちついて正しい行動がとれる人はカッコイイですよね! そんな頼れる大人になるべく、今回は探検隊の3人が防災の心得について学んできました!
後編では、地震の疑似体験やAEDの正しい使い方などを伝授いただきます。

想像以上の地震の揺れに、あ然とする3人


次に3人が体験するのは、地震。
世界でも地震の発生頻度の高い“地震大国”日本で暮らす以上、知っておくべきことは多いです。
飯塚隊員「地震を体験って…。なんか怖いな…」
こちらでもまずは映像の視聴から。地震や津波が発生するメカニズムについて、紹介されます。

真剣な表情で映像を見る3人。
飯塚隊員「すごい分かりやすい。つまり、日本で地震の発生が多いのは、地球を覆うプレートの動きが関係しているということですね」
長谷川さん
「はい。簡単にいうと、プレートとプレートがぶつかる場所に位置しているから。日本の周辺には、2つの陸のプレートと2つの海のプレート、計4つのプレートが存在しています。より重い海のプレートが陸のプレートの下に入り込み、そのゆがみに耐え切れなくなった陸のプレートはやがて上に大きく跳ね上がります。この動きによって発生するのが地震。なので、複数のプレートの密集地にある日本では必然的に地震が多くなるんです」

角田隊員「津波の速さは新幹線並みって映像で言ってたけど…、まじですか?」
長谷川さん「ええ。深さ500mの海で地震が起こるとそれほどのスピードになります。深さ10mでも時速40㎞にまで到達します」
津波は、地震によって跳ね上がった海底から海面までの海水全体の動き。そのため破壊力もケタ違いだそうです。改めて聞くと、地震は本当に恐ろしいものですね。
ではさっそく3人には、地震の揺れを体験してもらいましょう。
長谷川さん
「まずは、緊急地震速報が流れた後の震度6弱からにしましょうか。アラームが鳴ったら、すばやくテーブルの下へ。脚の下の部分を持つと手が挟まれてしまうことがあるので、必ず上を持ってください」
飯塚隊員「いや、ちょっと待って、怖い怖い」
おびえる飯塚隊員。
後ろのスクリーンには一般家庭の様子が映し出されます。
豊本隊員「なるほど、家のなかにいるという設定なわけですね」
直後、けたたましいアラーム音が!
角田隊員「地震だ!! はやくテーブルの下へ!!」
飯塚隊員「いつ聞いても嫌なんだよな~、このアラーム音」
すっかりおびえる飯塚隊員。
3人が机の下に入ったと同時に、大きな揺れが発生!!
豊本隊員「ちょっと、まじかこれ!!」
グラグラと揺れるのに耐え、3人は必死に柱にしがみつきます。
しばらくして揺れが止まったあと、余韻にひたる間もなく話す長谷川さん。
「では次は、東日本大震災の揺れを体験していただきます。震度は7、マグニチュード9の未曾有の大地震です」
豊本隊員
「いや、いまのも充分揺れましたけどね!(笑)」
長谷川さん
「今のは規則正しい揺れでしたが、次は揺れ自体が大きく、また、強弱があります。想像以上に揺れるので、しっかり柱につかまってください」
飯塚隊員「いや、怖えーよー!!」
おびえまくる飯塚隊員。
長谷川さん
「次はアラームなしで、いきなり揺らしますから素早く行動してください」
角田隊員「警報もないってことは、揺れを感じてからテーブルの下へってこと?」
長谷川さん
「そうですね。ここでは東日本大震災の映像が数秒スクリーンに流れるので、それが終わったらすぐに」
飯塚隊員「でも、実際はなんの予兆もなく来るわけだからね…」
そして、さっきとは別次元の大きな揺れが3人を襲います。
飯塚隊員「ちょっと待って!!嘘だよこれ!」
豊本隊員「さっきと全然違うじゃん!!」
角田隊員「うおおおおおおーーーーーーっ!!」
右に左に揺らされながら、悲鳴に近い声を上げる3人。
長谷川さん
「途中弱まっても、また大きな揺れが来るので絶対に手は離さないで!」
角田隊員「離すわけないでしょーが!!」
数十秒ほどで揺れが止まり、しばらく呆然とする3人。
角田隊員「ハアハア…。これはすごい…。ひとりだと机なんか吹っ飛んじゃうんじゃないの?」
こちらの体験では左右の揺れのみですが、実際の地震では上下の揺れも加わります。
飯塚隊員「これは恐怖心を覚えるレベルだわ…」
長谷川さん
「恐怖心を持つことは、とても大事です。地震の脅威を知っていることで、防災に対する意識も自然と高まりますので」

また、地震発生後は、“通電火災”にも気をつけなくてはいけないと、長谷川さんはいいます。
長谷川さん
「通電火災とは、地震から数日して電気が復旧したときに、壊れた電気製品などにも電気が流れて火災が発生することです。ですので、一時避難する場合は、ブレーカーを切り、ガス栓を締めてから家を離れましょう」
飯塚隊員「でも、素朴な疑問なんですけど、これだけ地震のメカニズムが解析されているなら、予知とかはできないものなんですかね?」
長谷川さん
「残念ながら、今のところ地震を予知することはできません。ただ、むこう30年以内に、マグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生するといわれています。そのため現在、東京消防庁が対策を進めているところです」

角田隊員「いや、ほんと他人事じゃないよ。うちの机、下に潜り込めないからすぐ買い換えないと」

生死を分ける、迅速で的確な応急処置とは

ここまで消火、煙、地震と3つの体験を経て、防災についての知識を習得してきた3人。最後は、人命救助のノウハウについて学びます。
見てください、この3人のキリッとした表情を。絶対に助ける、そんな強い意志が伝わってきますね。
 
長谷川さん
「応急手当の目的は“苦痛の軽減”“悪化防止”、そして“救命”の3つ。ここでは、心肺停止で倒れた人を発見した時の処置についてレクチャーします。この心肺蘇生法は国際的に標準化されたガイドラインに沿った内容なので、覚えておけばいざというときに救える命があるかもしれません」
体験では、最初に一連の流れを長谷川さんが説明。その後、3人が人形を使って実践していきます。
長谷川さん
「まずは反応の確認をします。半身が麻痺している可能性もあるので、必ず両肩を両手で触ってください。そして3回声がけを」
角田隊員「わかりますか!? わかりますか!?わかりますかーーー!?」

反応がなければ、周囲に大声で助けを求め、119番通報やAEDの搬送を依頼します。
そして胸とお腹の動きを見て、通常の呼吸があるかを確認。動きがなかったり、小刻みに震えている場合は通常の呼吸がないと判断し、圧迫による心肺蘇生に移ります。
豊本隊員「緊急時に心臓の正確な位置が分かるか、ちょっと不安」
長谷川さん
「心臓は胸の真ん中、胸骨の下半分にあります。鎖骨からずーっと触っていってみてください」
飯塚隊員「えーっと、ここら辺かな?」
長谷川さん「そこを的確に、1分間に100~120回圧迫し続けます。斜めに押すと骨が折れてしまうので、手の付け根部分で真上から体全体で垂直に押すようにしてください」
AEDが到着したら、圧迫による心肺蘇生とAEDの電気ショックを交互に行います。
3人ともAEDとは初対面。長谷川さんの指導のもと、右胸と左脇腹にパッドを貼り付けていきます。
角田隊員「これ、パッドを左右逆に貼っちゃったらエライことになるんですか?」
長谷川さん
「いえ、どっちも同じパッドなのでエライことにはならないです」
飯塚隊員「そんな怖い機械なわけないだろ(笑)」
角田隊員「先生! AEDのセットが完了しました!」
長谷川さんを先生呼びしてしまうほど、熱心に取り組む角田隊員。
長谷川さん
「AEDが心臓の痙攣や動きを自動で解析し、必要と判断すれば電気ショックを与えます。かなり強い放電なので、必ず体からは離れてください。そのあとはまた、圧迫による心肺蘇生を再開。これを2分間隔で繰り返します」
角田隊員「いち、に、さん、し…、ふー、結構くたびれるね」
「AEDがきても、圧迫は続けるんですね」と、豊本隊員。
実はこの圧迫による心肺蘇生措置が最も重要なことだと、長谷川さんは言います。
長谷川さん
「よく誤解されがちなんですが、AEDは動きが止まった心臓には作動しません。すぐに手で心臓を圧迫することで筋肉を痙攣状態にし、そこに電気を与えることで心臓の動きを安定したリズムに戻すのです。なので、倒れてからこの圧迫措置をいかにすばやく行えるかどうかが、生死を大きく左右します」

長谷川さん
「ここまでが、心肺蘇生の応急処置の一連の流れです。救急隊が来たらみなさんの役割は終了。それと、途中で自発呼吸が戻ったり、目的のあるしぐさが見られたときは一度圧迫はやめ、指先で顎を上げて気道を確保してください」

飯塚隊員「よしッ! これで角ちゃんが目の前で倒れても、助けてあげられるな」
角田隊員「おい! 縁起の悪いこというんじゃないよ!」
ちなみに、AEDはボックスの中に収納されており、開けると大きなアラーム音が鳴ります。
角田隊員「うわっ、うるせ!」
長谷川さん
「アラーム音には、緊急事態であることを周りに知らせる役割もあるんですよ」
豊本隊員「AEDって、街のいろんなところにあるものなんですか?」
長谷川さん
「そうですね。交番や大きな駅には確実にあるし、公共施設にも大体置いてあります。コンビニやデパートなど、年々設置する施設は増えてきていますね。最近はウェブ上で確認できるAEDマップもあるので、これから先、もっと多くの人に知っていただければ」

これにて、すべての体験を終えた探検隊の一同。
「消火器もAEDも触ったことなかったし、いろいろ考えなきゃと思いました」と飯塚隊員が話すように、3人にとって得た学びは多かったよう。これでまた、デキる大人に一歩近づけたのではないでしょうか。自分はもちろん、周りの人の命も守る防災の知識は、何よりも大切なもの。ぜひ一度、池袋防災館へ足を運んでみてください。
分かりやすくレクチャーしていただいた長谷川さん、そして池袋防災館のみなさん、ご協力ありがとうございました!
取材協力/池袋防災館
池袋駅から徒歩5分、東京消防庁の防災体験学習施設。消火・煙・地震の体験に加え、防災ビデオ・VR防災体験・救急体験のいずれかひとつを選択できる計4つの体験を、ツアー方式で実施。また、毎週金曜は夜間の災害を想定したナイトツアーを、17時からと19時からの2部制で行っている。

DATA
住所/東京都豊島区西池袋2-37-8
入館料/無料
TEL/03-3590-6565
営業時間/9:00~17:00(金曜は~21:00)
定休日/第1火曜休、第3火曜及び第3火曜の翌日休(祝日の場合は翌日休)
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今回の取材の裏側をこちらの動画でご覧いただけます。これからも「真東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は、ぜひYouTube『東京新聞チャンネル』に登録お願いします。

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