ジャガーさん「帰還」の真相は?地元で聞いた 千葉のローカルロックスター

2021年10月7日 06時00分
 テレビの深夜番組で全国区になった千葉のローカルロックスター、JAGUAR(ジャガー)さんが故郷の「ジャガー星」に帰還した。所属事務所の発表だが、「帰還」が何を指すのか説明はない。「引退なの?」「ご不幸が?」とファンの臆測は広がるばかり。ジャガーさんが住む千葉県市川市・本八幡の人たちはどう受け止めているのか。(古川雅和)

故郷の「ジャガー星」に帰還したというジャガーさん=2016年4月、千葉県市川市で

◆自身の番組つくり千葉愛歌う

 その存在を知らない読者のために紹介する。ジャガーさんは長髪で、奇抜な衣装を着て、顔には派手なメーク。生まれは地球から離れたジャガー星で、宇宙船ジャガー号に乗り地球に不時着した。それから数十年、市川に住む。2016年5月の本紙「TOKYO発」で本人が「石っころと同じような物体で、年齢は不詳」と明かしている。
 地球での仮の姿は、洋服直しチェーン店の経営者。看板製造業や美容室、喫茶店やライブハウスなども手がけた。ビジネスの利益で高校時代から続けるバンド活動を本格化させ、地元の千葉テレビの放送枠を買い取ってミニ音楽番組「HELLO JAGUAR」をスタート。自ら出演、撮影、編集する。ハスキーボイスで千葉愛を歌う姿は県内の中高生に衝撃を与えた。

◆人気は全国区に、時には政治コメント

 音楽関連の交友関係も広い。人気バンド「爆風スランプ」では、サポートでベースを弾いた。経営する看板工場で「X JAPAN」のhideさんを雇っていたこともあった。
 千葉県出身のマツコ・デラックスさんらが司会の番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ)に登場し、ジャガーさんの人気は全国区に。市川市はジャガーさんのグッズをふるさと納税の返礼品にした。本紙「こちら特報部」には18年3月に登場し、同市の市長不在問題についてコメントした。

◆謎に包まれた「帰還」だけど…

 所属事務所が悲しいお知らせを公表したのは、4日のこと。「大好きな地球よりJAGUAR星に帰還」し、具体的な時期と理由には「JAGUARの意思により非公表」とされた。
 帰還の意味は分からないが、生のジャガーさんは見納めのようだ。地元の人たちはどう感じているのか。構内にジャガーさんのポスターが張られているJR本八幡駅周辺で聞いてみた。
 会社役員の金子康英さん(64)は、40年くらい前にジャガーさんの店でアルバイトをしていた。「本当のところは分からないけど、亡くなったと思う」と、寂しげ。ジャガーさんの最初のアルバムには、ギターで参加した。「洋裁が得意な人だった。器用で、ミシンの使い方もうまかった」

◆これからもスターは心の中に

 宅配の仕事で宇宙船に荷物を届けたことがある50代の男性は、その時のジャガーさんの姿を「ジャージーっぽい服を着ていた。普通のおじいさんだった」と明かす。「帰還」をどう考えているか聞くと「本人と事務所が帰還って言っているのだし、そういうことでいいかな」。
 コロナ禍で今も大変だという30代の医療関係者の女性は「きっとジャガー星に帰ったんですよ」と、空に目を向けた。
 薬局店を経営する湯浅純明さん(73)は「30年くらい前かな、白いコルベット(アメ車)に乗って薬を買いに来た。あの格好だったから覚えているよ」と振り返る。ただ、あまり帰還のことは気になっていない様子。「関心があるのは一部の熱狂的なファンだけかもしれないな」
 そんな中、ラーメン店に並んでいた20代の女性はにこやかに話した。「地球はコロナ禍だから、自分の星の方がいいんじゃないかな。きっと今、向こうでテレワークの準備をしていますよ」

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