日大理事側に数千万円、2億流出主導の見返りか 東京地検、背任容疑で本格捜査へ

2021年10月7日 06時00分
 日本大学の医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事を巡って日大から2億円超が流出したとされる事件で、流出先の大阪市の医療法人グループ側から、流出金とは別の数千万円が日大理事(64)側に渡った疑いがあることが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は流出を主導した理事に対する見返りとみており、理事が日大に損害を与えた背任容疑で本格捜査に乗り出す。
 日大は昨年、老朽化した板橋病院を建て替えるための設計業務を、都内の設計事務所に約24億円で発注。一連の契約業務は日大の関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)に委託していた。事業部の取締役を務める理事は昨年8月、設計事務所に指示し、日大が前払いした約7億円のうち2億2000万円を、医療法人グループ関連の都内の医療コンサルタント会社に流出させた疑いがある。
 関係者によると、このコンサルは経営実体のないペーパーカンパニーで、2億2000万円は医療法人グループ前理事長の遊興費を含むクレジットカード代金や税の支払いに充てられた。これとは別に同時期、グループの関連会社から理事側の会社に、コンサル費名目で数千万円が送金されていた。複数の会社を経て一部は口座から引き出され、理事の手元に渡っていたとみられる。
 医療法人グループは大阪市を中心に複数の病院や介護施設、専門学校などを展開。9月17日付で辞任した前理事長は、日大の田中英寿理事長やその側近である理事と付き合いがあり、アマチュア相撲団体を統括する公益財団法人・日本相撲連盟の副会長を田中理事長とともに務めている。
 特捜部は先月、日大や日大事業部、田中理事長宅などに加え、医療法人グループの大阪市内などの関係先も家宅捜索した。グループは本紙の取材に「答えられない」としている。
 日大関係者によると、田中理事長は特捜部の捜索後にあった日大の理事会で「私は金を受け取っていない。問題ない」などと事件への関与を否定したという。

関連キーワード


おすすめ情報