土の恵み、触ってかいで 小学校で「農業塾」 三芳町、伝統農法を次世代へ

2021年10月7日 07時17分

5年生児童に落ち葉が肥料になる仕組みを解説する松本聰さん=三芳町で

 三芳町で江戸時代から続く伝統農法を次世代に伝えようと、三芳町立唐沢小学校で5年生児童を対象に「農業塾」が開かれた。土壌学・植物栄養学の研究者で日本土壌協会会長の松本聰(さとし)・東京大名誉教授が「土はなぜ大切か」と題した授業を行い、児童約80人が落ち葉が肥料になる仕組みを学んだ。(中里宏)
 三芳町には十七世紀末、川越藩主の柳沢吉保が開発した「三富(さんとめ)新田」の畑作地帯が多く残る。家屋、畑、平地林が規則的に配置され、平地林のコナラやクヌギの落ち葉を堆肥として利用する伝統農法を続ける農家が多い。こうした伝統的な循環型農業が二〇一七年、「武蔵野の落ち葉堆肥農法」として日本農業遺産に認定された。
 町はさらに世界農業遺産への登録を目指しており、一般向けの農業塾を開いて広報活動に力を入れるとともに、小学校五校でも地元の魅力を伝える農業塾を開いている。
 五日にあった授業で、松本さんは「皆さんは畑に野菜が植わっている状況を見ながら登校している。都会の子より、はるかに自然と触れ合い、幸せです。それは土を見ているから」と語りかけた。落ち葉が微生物の食べ物になって堆肥になり、畑の栄養になる仕組みを分かりやすく解説。森の落ち葉からつくられた鉄分が川を通して海に流れ出て、海も豊かにしていることを教えた。

平地林(写真奥)と畑が規則的に並ぶ「三富新田」の畑。平地林の落ち葉を堆肥として利用してきた(三芳町提供)

 児童らは落ち葉や腐葉土のサンプルを触ったり、においを嗅いだりしながら勉強。男子児童(11)は「知らないことが勉強できて楽しかった。森が海に栄養を送っていることは面白いと思った」と話していた。

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