日大理事ら2人を背任容疑で逮捕、田中理事長の自宅も捜索 病院建て替え工事巡り 東京地検特捜部

2021年10月7日 21時39分
  日本大学の医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事を巡り、2億2000万円を外部に流出させ日大に損害を与えたとして、東京地検特捜部は7日、背任の疑いで、日大理事で関連会社「日本大学事業部」(東京都世田谷区)取締役の井ノ口忠男容疑者(64)=大阪市北区=と、医療法人「錦秀会」(大阪市)の前理事長籔本雅巳容疑者(61)=同市中央区=を逮捕した。関係者によると、いずれも容疑を否認しているとみられる。

◆2億2000万円、外部に流出か

 国内最大規模の大学を舞台とした背任事件は、現役幹部の逮捕に発展。特捜部は同日、関係先として日大の田中英寿理事長(74)の自宅を家宅捜索しており、不正の全容解明を進める。
 逮捕容疑では、井ノ口容疑者は籔本容疑者と共謀して2020年2月中旬、工事の設計業者を選ぶプロポーザル業務で、都内の設計事務所が1位になるよう評価点を水増しして選定。7月下旬、日大から設計事務所の口座に着手金7億3000万円を送金させた上、8月上旬にこの口座から籔本容疑者が出資するコンサルタント会社に2億2000万円を送金させ、日大に損害を与えたとされる。日大は選定業務を事業部に委託していた。

◆現金、井ノ口容疑者に渡ったか

 関係者によると、コンサル会社は実体のないペーパーカンパニーで、流出金は籔本容疑者が使った遊興費などのクレジットカード代金やコンサル会社の税金の支払いに使われていた。一方、籔本容疑者の関連会社から井ノ口容疑者側の会社に数千万円が送金され、別会社を経由し、一部は現金として井ノ口容疑者の手元に渡ったとみられる。
 逮捕を受け、日大は「逮捕は誠に遺憾。捜査に引き続き全面的に協力していく」、錦秀会は「捜査に協力中であり、現段階では報告する事項はない」とそれぞれコメントした。(奥村圭吾)

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