難民認定巡る異議棄却前なのに強制送還リストに掲載…スリランカ人への入管対応で弁護団指摘

2021年10月7日 22時19分
記者会見で「国は改善のための努力を直ちに始めるべきだ」と話した指宿昭一弁護士(右)ら弁護団。強制送還された原告のスリランカ人男性はオンラインで参加した=7日、東京・霞が関の司法記者クラブで

記者会見で「国は改善のための努力を直ちに始めるべきだ」と話した指宿昭一弁護士(右)ら弁護団。強制送還された原告のスリランカ人男性はオンラインで参加した=7日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 難民認定を求めたスリランカ国籍の男性2人に対し、異議申し立てを棄却した翌日に強制送還した入管当局の対応を「裁判を受ける権利を侵害し、憲法違反」とした東京高裁判決が7日、確定した。2人の弁護団は同日、東京都内で記者会見し、不認定に対する異議が棄却される前に、入管が2人を送還対象者としてリストに掲載していたことを明らかにした。
 高橋済弁護士は「不服審査段階でリストに載るのはおかしい。難民保護と入管・警察行政が一体化しているから起きた。難民保護に特化した独立行政委員会などをつくるべきだ」と指摘した。
 弁護団によると、今回と同様、棄却を告げられて間もなく強制送還された人は、2014年と16年に実施された2回の集団送還だけで、この2人を含めて計48人いたという。指宿昭一弁護士は「国は改善のための努力を直ちにすべきで、実態調査と被害回復の措置をとるべきだ」と話した。
 会見には原告の男性(50)がスリランカからオンラインで参加。送還後も住む場所を転々とするなど不安な生活を送っているといい「入管庁は難民を人間として扱ってほしい。送還は間違いだったと認め、難民認定をしてほしい」と訴えた。
 判決によると、2人は2011~12年に難民認定を申請したが認められず、14年12月17日に異議申し立ての棄却を告げられた。東京入管に収容され、弁護士と連絡が取れないまま、翌18日早朝に集団送還された。東京高裁は「憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」などとして国に60万円の賠償を命じた。国は上告を断念し、判決が確定した。(望月衣塑子)

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