【全文】岸田文雄首相が所信表明演説「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命」

2021年10月8日 14時29分

衆院本会議で、所信表明演説をする岸田首相

 岸田文雄首相は8日、衆院本会議で所信表明演説をした。「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命です」などと述べ、新型コロナウイルス対策や、「分配なくして次の成長なし」と訴える経済政策、「核兵器のない世界」などを目指す外交、安全保障政策について説明した。
 衆院本会議での所信表明演説の全文は以下の通り。

◆はじめに

 第205回国会の開会にあたり、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々、そして、ご家族のみなさま方に心よりお悔やみを申し上げるとともに、厳しい闘病生活を送っておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、わが国の医療、保健、介護の現場を支えてくださっている方々、感染対策にご協力いただいている事業者の方々、そして、国民のみなさんに、深く感謝申し上げます。新型コロナとの闘いは続いています。
 こうした中、このたび、私は、第100代内閣総理大臣を拝命いたしました。私は、この国難を、国民のみなさんとともに乗り越え、新しい時代を切り拓き、心豊かな日本を次の世代に引き継ぐために、全身全霊を捧げる覚悟です。
 私が、書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれています。1人暮らしで、もしコロナになったらと思うと不安で仕方がない。テレワークでお客が激減し、経営するクリーニング屋の事業継続が厳しい。里帰りができず、1人で出産。誰とも会うことができず、孤独で、不安。今、求められているのは、こうした切実な声を踏まえて、政策を断行していくことです。
 まず、喫緊かつ最優先の課題である新型コロナ対応に万全を期します。国民に納得感を持ってもらえる丁寧な説明を行うこと、常に最悪の事態を想定して対応することを基本とします。また、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、速やかに経済対策を策定します。その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。わが国の未来を切り拓くための新しい経済社会のビジョンを示していきます。
 国民のみなさんとともに、これらの難しい課題に挑戦していくためには、国民の声を真摯に受け止め、かたちにする、信頼と共感を得られる政治が必要です。そのために、国民のみなさんとの丁寧な対話を大切にしていきます。私をはじめ、全閣僚が、様々な方と車座対話を積み重ね、その上で、国民のニーズに合った行政を進めているか、徹底的に点検するよう指示していきます。
 そうして得た信頼と共感の上に、私は、多様性が尊重される社会を目指します。若者も、高齢者も、障害のある方も、ない方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる社会です。経済的環境や世代、生まれた環境によって生じる格差やそれがもたらす分断。これが危機によって大きくなっているとの指摘があります。同時に、われわれは、家族や仲間との絆の大切さに改めて気付きました。東日本大震災の時に発揮された日本社会の絆の強さ。世界から賞賛されました。危機に直面した今こそ、この絆の力を発揮するときです。全ての人が生きがいを感じられる、新しい社会を創っていこうではありませんか。日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命です。
▶次ページ:新型コロナ対応「常に最悪を想定」
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