バナナの茎から紙製品 アフリカ貧困国の雇用と環境を守りたい「ワンプラネット・カフェ」<都の企業とSDGs>

2021年10月10日 05時50分
 捨てられるバナナの茎から作った紙「バナナペーパー」の生産・販売を手掛ける「ワンプラネット・カフェ」(東京都港区)は、アフリカ南部ザンビアで貧困と環境破壊の解決に取り組んでいる。(畑間香織)

バナナの茎を原料にした製品について話すワンプラネット・カフェのエクベリ聡子社長=東京都港区で

◆ザンビアに住む半数以上が200円以下で生活

 エクベリ聡子社長(51)と夫で環境ジャーナリストのペオさん(53)がザンビアを訪れたのは2006年夏。壮大な国立公園の野生動物に魅了された。一方、人口の半数以上が1日約200円以下で生活し、密猟や違法な森林伐採をして生計を立てざるを得ない状況も知った。
 「小さなことでも良いから何かここでしよう」。環境問題のコンサル業をしていたエクベリさんは決意した。着目したのは現地で盛んなバナナ栽培だった。
 バナナの茎は1年で成長して実をつけるが、収穫後は茎を切って捨てていた。エクベリさんらは茎の繊維を紙に生まれ変わらせる仕事を作れると思い、11年に事業を始めた。

◆名刺、ハンガー、紙袋へ…日本など15カ国で販売

 ザンビアに建てた工場で、高さ約5~6メートルのバナナの茎を約1メートルに切り、機械で繊維を取りだして天日干しする。繊維は福井県越前市の和紙工場や英国の紙工場へ輸出し、再生紙などを配合して紙になる。フェアトレード認証も取得した。協力企業が紙を名刺やハンガー、紙袋といった商品に加工し、日本など15カ国で販売している。
 工場では20人を雇用し、その家族ら約200人の生活を支えている。一連の取り組みはSDGs(持続可能な開発目標)の全17目標につながる。エクベリさんは特に目標1「貧困をなくそう」と、生態系の保護を掲げる目標15「陸の豊かさを守ろう」を意識する。
 今後は日本や英国でパルプ化している作業をザンビアで行うことを目指す。エクベリさんは「雇用を作りながら環境や野生動物を守りたい」と話す。

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