集団強制送還のスリランカ人に対する謝罪と難民申請 「今後、入管庁で対応検討」古川法相

2021年10月9日 06時00分
 古川禎久法相は8日、閣議後の会見で、難民認定を求めたスリランカ国籍の男性2人を強制送還した入管当局の対応を「憲法違反」とした東京高裁の判決を受け、原告の男性(50)が「真摯(しんし)な謝罪と難民申請をさせてほしい」と訴えている点に「今後、出入国在留管理庁で対応を検討する」との見解を示した。
 原告の男性は送還後も、住む場所を転々とし不安な生活を送っており「入管がやってきたやり方は、とても汚い。真摯(しんし)に謝罪してほしい。自分たち含めて、もう一度(強制送還した人々の)難民申請をさせてほしい」と訴えている。
 この点を問われると、古川法相は「原告への対応は、まず入管庁において適切に検討する」とした。
 弁護団によると、今回同様、棄却を告げられて間もなく強制送還された人は、2014年と16年に実施された2回の集団送還だけで、2人を含め計48人。
 20年3月にも同様の集団送還が行われたが、何人が裁判を受けられず、強制送還させられたかを入管庁は明らかにしていない。
 記者から「調査で被害実態を明らかにし、改善計画含め公表するつもりはあるか」と問われると、これも「今後の対応は、入管庁で検討していきたい」と答えるにとどまった。
 東京高裁判決によると、2人は11~12年に難民認定を申請したが認められず、14年12月17日に異議申し立ての棄却を告げられた。
 東京入管に収容され、弁護士と連絡が取れないまま、翌18日早朝に集団送還された。東京高裁は「憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」などとして国に60万円の賠償を命じた。国は上告を断念し、判決が確定した。(望月衣塑子)

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