東京パラの機運を未来へ 陸上普及や後進育成に奔走 義足アスリート第一人者の山本篤

2021年10月9日 18時24分
 義足アスリートの第一人者で陸上の山本篤(39)=新日本住設=は、第一線で活躍しながら、競技の普及や後進の育成に力を注いできた。自身も出場した東京パラリンピックでパラスポーツへの注目は高まった。「陸上をやりたくなった人の受け皿をつくる」。機運を未来につなげるために、休むことなく奔走する。

東京パラリンピックで競技を終え、ポーズをとる山本篤(右)と小須田潤太=8月28日、国立競技場で

◆共に高め合った後輩の健闘うれしく

 東京パラでは、男子走り幅跳び(義足・機能障害T63)で自己新の6メートル75をマークして4位。トップ3は7メートル超えとレベルが高く、目標の金メダルには届かなかったが、うれしいこともあった。同じように自己新をたたき出し、初出場で7位に入った小須田潤太(31)=オープンハウス=の健闘だ。
 練習拠点の大阪で共に高め合ってきた後輩。「本気でパラを目指すと決めて一緒にやってきて、しっかり勝負してくれた」とたたえた。長く国内トップの座にいるが「僕を踏み台にして世界で戦える選手」の台頭を望んでいる。
 16、17日には、義足での走り方を手ほどきする「ブレードアスリートアカデミー」を大阪で開く。小須田、東京パラ女子走り幅跳び(義足・機能障害T63)5位の前川楓(23)=新日本住設=とともに講師を務める。アスリートの原石が見つかり、本格的にトレーニングを始めることになれば「金銭面を支援し、3人で面倒を見ることを考えている」と明かす。

東京パラリンピック陸上男子走り幅跳びで跳躍する山本篤=8月28日、国立競技場で

◆障害児支援も「かっこいい跳躍」で応援

 山本は高校時代にバイクの事故で左の大腿(だいたい)を切断した。義肢装具士を養成する専門学校に進んで競技用義足の存在を知り、陸上を始めた。2008年北京パラリンピックに初出場し、走り幅跳びで銀メダルを獲得。17年にプロになり、普及にも力を入れるようになった。18年に長男が、今年7月には次男が誕生し、次世代へとさらに目が向いた。
 今年から、障害のある子どもを支援する医療関係者らの団体「ハビリスジャパン」のロゴをユニホームの胸に付けて大会に出場している。「応援されるだけでなく、応援できないかなと思って」。見る人の目を意識した「かっこいい跳躍」でロゴもアピールしている。(神谷円香)

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