「現役世代手助けする形に」 シニア求人マッチングサイト 高齢化進む日本社会の救世主となるか

2021年10月10日 06時00分
 シニア就業希望者と求人を結び付けるマッチングサイト「GBER(ジーバー)」は、高齢化が進む日本社会の救世主になる可能性を秘める。開発した檜山敦・東京大先端科学技術研究センター特任准教授は「健康で就労意欲も高いシニアは多いのに、ほとんど希望する仕事につけていない。元気なシニアが働き、現役世代を手助けする形のピラミッド社会にしたい」と話す。(久原穏)

GBERについて説明する開発者の東京大学先端科学技術研究センターの檜山敦特任准教授=東京都目黒区で

 世界一の長寿国となった日本だが、国の財政や社会保障制度の維持を考えると高齢化の進展はリスクだ。現在の日本は少ない人口の若者世代が多い人口の高齢世代を支える逆ピラミッド社会で、持続可能性に疑問符が付く。
 檜山氏によれば前期高齢者(65~74歳)の95%以上、後期高齢者(75歳以上)の70%以上は要支援でも要介護でもない「アクティブシニア」だ。

◆一人ひとりに合った仕事、コストや人手かけずに提示

 しかし65歳以上の就業希望者の多くが労働市場に位置付けられていない。大手企業の役員経験者らを除き、民間の人材ビジネスのマッチング対象から外れている。
 シニアの場合、企業に必要とされる経験や知識があっても、マッチング実現への条件や制約が多さが「壁」となってきた。ジーバーは、こうした課題をIT技術や人工知能(AI)で克服する道を確立。求職者一人ひとりの条件に合った仕事をコストや人手をかけずに提示する。

◆就業率高い都道府県ほど医療費負担少なく

 さらに檜山氏は「例えば現役世代1人の仕事を高齢者数人で分担する。労働時間を2時間ずつ4人で分けたり、スキルによって仕事を分担したりする。こうした『モザイク型就労』でシニアの活躍の場は広がり、現役世代をバックアップできる」と、シニアの働き方の可能性を指摘した。
 高齢者の就業率が高い都道府県ほど医療費負担が少なくなる傾向も確認されている。「社会との接点がある人ほど健康で長生きする。社会参加には就労が一番」と檜山氏は強調した。

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