「京浜東北線のおまけ」じゃないよ 知ってる?根岸線

2021年10月10日 07時06分

JR横浜駅の根岸線ホームで気勢を上げる「根岸線をよくするプロジェクト」のメンバーら。右端は大野武一駅長

 横浜駅から大船駅に向かう水色の帯のJR線は、京浜東北線ではなく、根岸線です! 沿線には「超」が付くほどの有名観光地がありながら、知名度はいまひとつで、「根岸線って?」と首をかしげる利用者もいる。そこでJR東日本横浜支社の社員が立ち上がり、「根岸線をよくするプロジェクト」がスタートした。
 JR横浜駅のホームは3番線から10番線まであり、3、4番線に車体に水色の帯を巻いた電車が発着する(黄緑と緑の帯の横浜線も)。ホーム上の表示をよく見ると、3番線(南行き)は根岸線、4番線(北行き)は京浜東北線と表記してある。ちなみに1、2番線は京急電鉄のホームになっている。

横浜駅の根岸線(左側)と京急線(右側)の中央に位置する根岸線の「0キロポスト」

 東京方面から3番線ホームに入線した京浜東北線の電車は、横浜から大船方面へは根岸線となり、大船方面から4番線に到着した電車は京浜東北線として東京方面へ出発する。2番線と3番線の間には、根岸線の起点を示す白い「0キロポスト」が立っている。
 根岸線の知名度は、いまひとつ低いという。利用者にとっては「京浜東北線のおまけ感」もあるようだ。そこで昨年十二月、同支社は「根岸線をもっとよくしたい、知ってもらいたい」と「根岸線をよくするプロジェクト」をスタート、約二十人の社員が集まった。メンバーは沿線の駅関係者のほか、信号、電力など技術部門からも参加。「いろんな視点や発想があった方がいい」(酒井かおる横浜駅副駅長)という理由からだ。
 メンバーも知名度の低さを実感している。横浜駅駅員、外山(とやま)茂芳さん(39)は「『桜木町に行きたい』と尋ねる利用者の方に『根岸線で』と紹介したら、『えっ、根岸線』と聞き直されるケースがけっこう多い」。磯子駅の駅員、望月達也さん(44)も「一般の方は『根岸線はどこからどこまでなの?』と、なじみが薄いらしい」と打ち明ける。
 プロジェクトでは会員制交流サイト(SNS)を活用して、(1)根岸線の魅力駅ランキングを募集(結果は今月末に発表予定)(2)沿線駅からの手近な街歩きコースの紹介(十月一日〜十一月末は新杉田駅)(3)社員が動画で語る「大好き根岸線」−などを行う。
 知名度は低くても、根岸線の沿線風景は変化に富んで魅力的だ。桜木町は高層ビル群が立ち並ぶみなとみらい21地区の最寄り駅。関内駅は馬車道や横浜スタジアムに近く、石川町駅は、横浜中華街や元町商店街、山手地区など、これぞ横浜といったエリアに隣接。線の名の由来になった根岸駅や磯子駅周辺は京浜工業地帯に面し、内陸部に入った洋光台、港南台などには住宅が広がる。
 こんなにさまざまな表情をもつ根岸線は「京浜東北線のおまけ」では決してない。その魅力に触れてみてはいかがだろう。
 文・加藤行平/写真・由木直子、伊藤遼
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