【詳報・第5回】久保木被告 最初の患者殺害「本当に申し訳ないが、ほっとした」 3人点滴中毒死

2021年10月11日 19時52分

遺族に謝罪「身勝手な理由で命を奪った」

 弁護人から、法廷に来ている遺族に伝えたいことを問われると、久保木被告は「すいません。遺族の顔を向いて謝罪の言葉を述べさせてもいいでしょうか」と述べた。検察側は遺族に相談した上で「裁判長に任せます」と発言。家令裁判長が許可した。
 久保木被告は「私の身勝手な理由で大切なご家族の命を奪ってしまい、大変申し訳ありませんでした」と1度頭を下げた。その後、「許していただけないとは思いますが、裁判ではお詫びの気持ちをお伝えしたいと思っていました。本当に申し訳ありませんでした」と続けて、腰を折って深く頭を下げた。
 家族への心情を問われると、久保木被告は「両親に申し訳ない」と述べた。父親には気持ちを手紙で伝えてあるという。遺族への賠償金は、自分の貯金と「母が将来のために貯めていてくれたお金」を充てたと説明した。

「音が嫌でイヤホン」逮捕前まで

 弁護人の質問は、子ども時代の様子に移った。久保木被告は高校生時代、音に過敏だったことや、仲の良い友人がいなかったことを話した。
弁護人 小さい頃、音が嫌でイヤホンをつけていることはあったか?
被告  はい
弁護人 いつごろか?
被告  高校生のころ
弁護人 小中のころはなかった?
被告  はい
弁護人 高校生からいつごろまで
被告  ずっとです
弁護人 最近までか?
被告  逮捕前までです
弁護人 人の名前を覚えづらいことは?
被告  ちょっとわからないですが、指導でついてくれていた看護師の名前を間違えることが何度かありました
 質問する弁護人が交代し、交友関係を尋ねた。久保木被告は茨城県で過ごした小学校低学年時代は、友人とおままごとやセーラームーンごっこで遊んだ。神奈川県へ引っ越して入学した中学校でも何人か親しい友人がいた。ただ、高校時代には交友関係がやや希薄になったという。
弁護人 高校で友人は?
被告  高校に入ってからは小中学校のように親しい人はいません
弁護人 孤立していた?
被告  孤立まではいかないが特定の仲の良い人はいませんでした
弁護人 親友と呼べるような人はいなかったということ?
被告  はい
弁護人 トラブルとか暴力を振るうことはあった?
被告  いいえ
弁護人 お母さんとのけんかで本を投げつけたとの証言もあったが記憶にあるか?
被告  はっきりは覚えていない
弁護人 けんかで反抗して物に当たった記憶は?
被告  覚えていません

警察捜査で「その時、正気に戻った」

 もう一度、質問する弁護人が交代し、罪悪感を抱いた時期を尋ねた。久保木被告は、八巻さんの事件を機に、神奈川県警が病院で捜査を始めたことを挙げ、「そのときに正気に戻ったような気がします」と語った。
弁護人 点滴に消毒液を混入したとき、何も思わなかったといった
被告  はい
弁護人 一方で患者を殺めたので、看護師を続けることはできないとも話した
被告  はい
弁護人 罪悪感を持ったのはいつか
被告 (15秒ほど沈黙し)警察の捜査が入ったことが大きかった
弁護人 八巻さんの事件で警察が捜査したときか?
被告  そのとき正気に戻ったような気がします
弁護人 罪悪感が生じた?
被告  はい
 11日の審理が終わった。12日は午前10時から、検察の被告人質問が行われる。
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