【詳報・第5回】久保木被告 最初の患者殺害「本当に申し訳ないが、ほっとした」 3人点滴中毒死

2021年10月11日 19時52分

横浜地裁

患者の急変「不安だった」

 14年8月に休職から復帰した久保木被告は、同じ病院系列の診療所(一般内科)に異動した。患者の血圧を測ったり、採決や胃カメラの介助などが業務で、「最初のころは続けられると思いました」と話す。しかし、夜間や休日に患者から電話で相談を受け、どうすれば良いかを答える「オンコール」という「業務が不安」だったと明かした。
弁護人 オンコールの何が不安だった?
被告 とっさに正しい判断ができるか不安でした
弁護人 できないとどうなる?
被告 患者の容態が急変します
弁護人 急変することが不安だった
 結局、久保木被告はオンコールへの不安がぬぐえず、15年4月末に最初に勤めていた病院を退職した。復職後も薬をもらうために、精神科に月に1-2回通院していたが、主治医がかわって方針が合わなくなり、15年途中に通院をやめた。
弁護人(7年間の)勤務で友人はできたか
被告 いいえ
弁護人 なぜ
被告 私が人と積極的に関わるという人間ではないからだと思います
弁護人 仕事以外はどうしていた?
被告 掃除洗濯をして過ごしていました 

「亡くなるはず、と割り切れなくて…」 

 業務に不安を抱えて退職した久保木被告だったが、退職翌月の15年5月に大口病院に就職した。「私の学歴や能力では一般の企業にとってもらえない」と思ったのが、看護師を続けた理由だった。その中で大口病院を選んだのは、「ほとんど延命措置が行われない」ため、自分が延命措置をしなくて良いと思ったからだったという。しかし、実際に勤務を始めるとストレスを感じて始めた。
弁護人 終末期の患者と直接接してどう感じた
被告 患者さんが亡くなるのはつらかったです。とても気持ちがしんどくなることもありました
弁護人 終末期では1日何人も亡くなることも
被告 なくはありませんでした
弁護人 接した患者さんが亡くなってどう思った
被告 うまく表現はできないが、気持ちに折り合いがつけられませんでした
弁護人 折り合いがつけられないとは、具体的に
被告 終末期なので亡くなってしまうが、亡くなることはつらくて。仕事だから、亡くなるはずだったから、と割り切ることができませんでした
弁護人 毎日終末期の患者さんと接していた。最初に亡くなってどう感じた
被告 つらかったです
弁護人 年月がたって、その気持ちはうすれた
被告 いいえ
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