意外にもろかったJR…変電所火災で広範囲の主要路線に影響

2021年10月11日 11時16分
 JR東日本の変電所で10日に起きた火災による停電で、首都圏で山手線など主要路線が一時運転を見合わせ、広い範囲で影響が出た。新型コロナの感染拡大がやや落ち着く中、休日に出掛けた行楽客らは困惑。7日に首都圏を襲った最大震度5強の地震の際も、JRなど鉄道各社が運転見合わせなどをしたばかりで、「意外にもろい」との声も聞こえた。

◆復旧に最大7時間余

 JR東日本によると、火災が起きた埼玉県わらび市の「蕨交流変電所」は、首都圏18カ所にある同社の基幹変電所の1つだ。火災で変電所内にある変圧器周辺が燃えたとみられ、一時送電ができなくなったという。
 蕨交流変電所では、2017年9月にも、作業員の点検作業のミスで大規模停電が発生。山手線など7路線で計75本の列車が遅れ、約4万1000人が影響を受けた。
 10日に運転を見合わせた路線のうち、他の基幹変電所から送電できた山手線などの路線は、運転を徐々に再開。京浜東北線、高崎線、東北線(宇都宮線)の一部区間は、火元の蕨交流変電所で焼損を免れた設備からの送電を待ったため、復旧に最大7時間余を要した。
 JR東日本の担当者は10日午後、「設備の被害状況や送電できるかの確認に時間がかかった」と話し、情報収集に追われていた。
 埼玉県警蕨署によると、出火当時、変電所は無人で、トランス室は施錠されていた。
 変電所近くに住む男性(63)は「ボーンという爆発音がして、ベランダから外を見たら黒い煙が上がっていた」と驚いた様子。別の男性(64)も「数日前も地震でダイヤが混乱し、また火事で電車が止まるなんて、もろいもんだね」と話していた。(太田理英子、近藤統義)

◆上野駅 観光客が足止め

変電所火災の影響でJR各路線の運転見合わせを知らせるモニター=10日、JR上野駅

 山手線や京浜東北線などが通るJR上野駅では10日午後2時ごろ、電車の運行状況を知らせる構内の電光掲示板前に人だかりができ、窓口にはきっぷの払い戻しなどを求める人が列をつくった。同駅の公園口前では、9日から入園者数の上限が引き上げられた上野動物園帰りの家族連れらが足止めされる姿も目立った。
 ジャイアントパンダを見に山手線で動物園に訪れた東京都品川区の主婦大橋由枝よしえさん(64)は「園内はかなり混んでいて、電車が止まっていると話題になった。遠くから来た人は困っていて、スマホで帰り方を調べていた」と振り返った。
 都内に住む家族に会うため日帰りで訪れた静岡市駿河区の主婦(72)は、新幹線で帰宅しようと山手線で東京駅に向かう途中だった。「運行に7日の地震の影響があるか心配していたが、まさか停電で止まるとは。地下鉄を使ってなんとか帰りたい」と足早に立ち去った。(天田優里)

◆浦和駅 2時間待っても…

停電で薄暗くなったJR浦和駅の構内=10日

 京浜東北線などが通るJR浦和駅も10日午後、運転見合わせの影響で改札前に人があふれ、駅前のタクシー乗り場には一時、50メートルほどの列ができた。
 午後3時ごろ、2時間近く電車の運転再開を待っていた埼玉県上尾市の男性(73)は「動く気配がないね」とため息。さいたま市浦和区の男性(70)は「待ち合わせの友人が途中で停車中の電車内にいる」と心配していた。
 同区の男性(46)は浦和駅から電車に乗り、横浜方面に向かった。だが、浦和駅を出て間もなく電車が緊急停止。そのまま2時間ほど停車した後、電車は浦和駅に戻ってきたといい、男性は「振り出しに戻った感じ。疲れました」と苦笑いしていた。(飯田樹与)

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