唯一無二の1台! BBQキッチンカー 本場・米国の味 あなたの街へ 「BBQ演出家」肉まるごと調理

2021年10月12日 06時35分

BBQ演出家・金子明弘さんが設計したBBQキッチンカー

 本場のバーベキュー(BBQ)を届けたい−。青梅市の「BBQ演出家」金子明弘さん(40)が、自ら設計したこの世に1台のキッチンカーを作った。巨大な肉をまるごと調理できるスモーカーを積み、ガラス越しに見える焼きたての肉。明日は、あなたの街に現れるかも。
 豚の肩ロースの塊十五キロ分を取り出し、キッチンカー中央の調理スペースで下ごしらえ。自ら調合した秘密のスパイスをもみ込んだ肉を、すでに火が入れてある車内後部のスモーカーに投入。「後は、七、八時間かけてじっくり焼き上げます」。網の上でジュウジュウと肉を焼くBBQのイメージとは異なる。

BBQ料理のコンボ=金子さん提供

 「想像していたのと違うでしょう?」
 日本で広まっている「じか火で焼く」のは焼き肉(グリル)の手法。本場・米国のBBQは、熱した空気で間接的に肉を焼き、どちらかというと薫製に近い。楽しみ方も異なる。日本では火をおこし、肉を焼く調理の過程を楽しむが、米国では調理よりも肉料理を囲んで交流するのが主な目的だ。
 多摩の自然の中で育った自身も、元は大の「和製BBQ」好き。休日のたびに山や川に出かけ、家族や友人と楽しんできた。それが高じて十年ほど前に日本BBQ協会の「BBQ検定」に挑戦。この時初めて、本場のBBQを知った。二年前、BBQ協会の会長が主宰するチームの一員として米国の大会に出場し、BBQを通じてお祭りを楽しんでいる人たちの姿を見て衝撃を受けた。

キッチンカーの車内でこだわりについて話す金子さん=いずれも青梅市で

 「日本にも広めたい」。料理や交流を楽しんでもらおうと、自動車教習所の指導員を辞め、二〇一九年六月に青梅市内でBBQスペースを開業した。自ら考案した肩書は「BBQ演出家」。お客さんの前で調理した肉を切って肉汁があふれる様子を見てもらったり、調理の下準備、肉を焼くこと、盛り付けを手伝ってもらったりして、パーティーのような盛り上がりを図ってきた。
 本場のBBQも楽しんでもらえる、との手応えを感じたのもつかの間。新型コロナの影響を受けた。昨年四月に初めて緊急事態宣言が出されて以降、何度も休業を余儀なくされた。そんな中、目に飛び込んできたのは、自然の中でBBQを楽しもうとする人たちの姿だ。
 河原にはトイレもないし、水道もない。目の前の多摩川河川敷では、投棄された空き缶やBBQグリルが散乱しているのも見た。「調理の過程」を楽しむ、日本のBBQのマイナスの面が表れたかのようだった。「世界にはもっと多様なBBQの楽しみ方があることを知ってもらいたい」。たどり着いたのが、出張してBBQ料理を提供する「BBQキッチンカー」だ。

車内のスモーカーに肉の塊を並べる金子さん

 中古のトラックをもとに自ら設計。スモーカーの温度を調整する機器は米国から輸入した。外からガラス越しに肉を見てもらえるようにしたのは、「演出家」ならではのアイデアだ。五月にクラウドファンディングで資金の一部を集めたところ、わずか四日間で目標の百万円を達成。BBQファンの支援が背中を押してくれた。
 次の目標は、トラックにつなぐ全長三メートルのトレーラー型スモーカーだ。「料理ができるのはもちろん、街中を走れば、注目を集められるから」。BBQを広めるための演出に余念ない。
 問い合わせは、金子さんが経営するバーベキュー場「B−YARD」=電050(5372)8491=へ。
 文・布施谷航/写真・佐藤哲紀
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