「シューベルト国際」で優勝 静岡市出身のピアニスト・安並さん 「自分の音信じたこと 大きな糧に」

2021年10月12日 07時12分

3日の授賞式で花束を受け取る安並貴史さん=ドイツ・ドルトムントで(安並さん提供)

 静岡市出身のピアニスト安並貴史(やすなみたかし)さん(29)が、九月二十六日から今月二日までドイツ・ドルトムントで行われた若手の登竜門とされる第十四回シューベルト国際ピアノコンクールで優勝した。同大会での日本人の優勝は、二〇〇七年の第十一回大会での佐藤卓史さん以来。安並さんは本紙のメールによる取材に「最後まで自分の音を信じて取り組めたことが、今後の大きな糧になった」と快挙を振り返った。(大岡彩也花)
 百三十八人の応募の中から四十六人が進出。予選でシューベルトのソナタなどを演奏し、ファイナルでは、ベートーベンのピアノコンチェルトを奏でた。
 安並さんは「師匠の石井克典先生(東京音楽大教授、浜松市出身)にさまざまなアイデアやインスピレーションを頂き、音楽をより豊かにできた。厳しくも誰よりも愛がある先生に、やっと一つ結果を残せたことが何よりうれしい」と語った。
 テクニックだけでなく、音楽性が評価されるシューベルト国際コンクール。「ゆったりとした曲が性に合っていたので、相性も良かった。また、シューベルトの音楽には『絶対的な孤独』に対する諦観やそれを慰める優しさがあるといわれるが、私は日本のわびさびも感じていた。いつか会場の生の音で静岡の皆さまにもお届けできれば」と続けた。
 感性が養われたのは「間違いなく清水南中高で六年間、自然豊かな環境で伸び伸び育つことができたから」。また、三年前の浜松国際ピアノコンクールで六位に入賞した経験に触れ「その時に付いた心の火が、私をここまで運んでくれました」と静岡や浜松への感謝の思いを語った。

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