川崎市長選 コロナと川崎、市民の声は

2021年10月13日 07時26分
 新型コロナウイルスは日常を大きく様変わりさせている。この街は危機にどう向き合ってきたのか。17日告示、31日投開票の川崎市長選を前に、コロナ下の川崎の歩みをたどりながら、市政に望むことを聞いた。(安藤恭子、竹谷直子、山本哲正)

◆「保育園運営綱渡り」「スピード感を」

 宮前区の「たつのこのはら保育園」の石丸慎介園長(47)は「保護者の協力もあり、運営を続けてこられたのは幸い。命の危険を感じた昨年の宣言時から今までずっと、綱渡りのような気持ちで運営してきた」と振り返る。
 園児はワクチンが接種できない上、マスク着用も難しい。市こども未来局によると、市内では七〜九月、認可外なども含め延べ百七十五カ所の保育施設が、陽性者の発生による休園を余儀なくされた。「少人数保育なら感染リスクも減らせる。保育園も感染拡大期には時短開園や、預かる保護者の職種を医療従事者や警察・消防職員に限るよう行政に促してほしかった。より機動的な方針を打ち出してほしい」と要望する。
 六月にワクチン接種をした川崎区の布川玲子さん(76)は、かかりつけ医は都内にあり、市のコールセンターで開業医を紹介してもらったという。接種予約に苦労した友人もいたといい「川崎は東京との人の行き来が多い。都県ごとではなく、首都圏でまとまってのコロナ対策をしてほしい」と願う。
 川崎区の老舗イタリア料理店「モナリザン」のオーナー大嶌(しま)正悟さん(46)は、今春からの酒類提供の終日自粛要請に苦戦を強いられた。「ランチではほとんど利益がなく、コロナ前の売り上げの半分ほどになった。従業員の数も減らしていないのでお店を開ければ開けるほど赤字になる。補助金でなんとか維持している」と嘆く。「協力金などはスピード感を持って対応してほしい。手続きをスムーズにするためにデジタル化も必要ではないか」と話した。

◆状況は ワクチン予約で不満

 昨年二月、横浜港に入ったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、国内初の集団感染が発生。川崎市医師会のメンバーも船内診療に加わり、コロナ下の市民生活が始まった。
 学校が休校した緊急事態宣言を経て、市はプレミアム商品券「川崎じもと応援券」を発行。直接販売に切り替えた秋には窓口に市民が列をなした。感染の波は繰り返し、コロナ禍の景気浮揚策としては効果が見えづらい課題も残した。
 昨年末からの「第三波」のさなか、今年一月の市成人式は三部制で行われ、約三千七百人の新成人が出席。医療が逼迫(ひっぱく)する中、市が福祉施設に一一九番通報抑制の協力を求める文書を出していたことも明らかになった。
 五月連休明けにはワクチンの住民接種が本格化したが、電話、サイトとも予約はほぼパンク状態となり、市民の不満が渦巻いた。六月には大規模接種会場の運営も始まり、市は市民の80%に当たる約百九万人の接種完了を十一月末に目指している。

関連キーワード


おすすめ情報

神奈川の新着

記事一覧