<山崎まゆみのバリアフリーで行こう>羽田空港(上)国際線ターミナル 車いすも充実、より優しく

2021年10月13日 07時26分

案内カウンターで貸し出される車いすとベビーカー

 2回にわたり、東京国際(羽田)空港を紹介します。まずは、2010年に開業した第3ターミナル(国際線)です。全ての利用者に『より優しい』ターミナルを目指しています。
 06年に有識者、多様な障がい者や関係事業者が集まり「ユニバーサルデザイン検討委員会」が立ち上がりました。それに加えて、施工業者やメーカーも参加したワークショップを38回も重ね、熟慮の上にデザインされました。
 トイレはドア幅が120センチとぜいたくなほどに広いのでスーツケースも入れやすく、車いすユーザーも利用しやすい。エレベーターは美観だけでなく、アクシデントが起こった時に聴覚障がいの人に外からサインを送りやすくするため、シースルーに。床面は錯視を生じないようなデザインを採用し、補助犬用トイレを設置する等、進んだハードが整備されています。

「手で見るフロアマップ」や筆談ボードも備えられている

 ソフト面でも、案内カウンターに立つ職員「コンシェルジュ」は全員、さまざまな障がい者に対応できるサービスを学び、サービス介助士の資格を有しています。
 コロナ禍の今は、マスクと手袋、フェースシールドを着用し、移動が困難な人には歩行や移乗のサポートを行います。視覚障がい者には「手で見るフロアマップ」を用意し、案内が必要な人には互いに手袋をして手引きをしています。聴覚障がいの人に向けた筆談ボードや聞き取りやすくする特殊な機械(ヒアリングループ)を使った案内を実施。アクリル板越しでは聞き取りにくいことを想定してマイクを設置しました。
 羽田空港では19年から、全ターミナルに、保安検査場をそのまま通過できる樹脂製と木製の車いすを用意。従来の金属製もあわせると第3ターミナルだけで240台もの車いすがあり、その多くは外側の大きな車輪を外せば機内まで入っていける作りです。身体の大きな外国人用に、通常の1・5倍サイズの車いすもあります。
 これらの車いすは空港内ならどこでも返却可能。以前はターミナルごとに車いすが異なり、空港内で度々乗り換えを求められたことを思い起こしたら、とても便利になりました。 (温泉エッセイスト)

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