「英国の中で最も重大な失敗の一つ」政府のコロナ初期対応を批判、ワクチン展開は称賛 英下院特別委員会

2021年10月13日 20時23分
英ロンドンのサッカー競技場にワクチン接種会場が特設され、行列をつくる若者たち=6月、藤沢有哉撮影

英ロンドンのサッカー競技場にワクチン接種会場が特設され、行列をつくる若者たち=6月、藤沢有哉撮影

 【ロンドン=藤沢有哉】英下院の科学・技術、保健・社会福祉の両委員会は12日、政府の新型コロナウイルス対応を検証した報告書を公表した。昨年のロックダウン(都市封鎖)の導入の遅れなど初期対応の誤りで死者数が増加したと指摘。「英国の経験の中で、最も重大な公衆衛生上の失敗の一つ」と厳しく批判した。
 両委員会委員長は「英国の対応には大きな成果も大きな過ちもあり、両方から学ぶことが不可欠だ」との共同声明を発表。英BBC放送によると、政府のバークレー国務相は「科学者の助言に従い、政府は医療機関を守るために難しい判断をしてきた」と弁明した。
 英国では昨年1月に初めてコロナ感染例が確認された。ただ、報告書によると、政府は当初、インフルエンザの流行に基づいた対応策を実施。ウイルスの徹底した「封じ込め」は行わず、感染の「管理」にとどめた。経済や社会生活が打撃を受ける懸念などもあって、ロックダウン導入は同3月下旬まで遅れた。
 検査体制の整備も遅れ、適切な検査なしに患者が病院から退院し、戻った介護施設などで感染が広がったことも指摘。「回避できたはずの大勢の死につながった」と批判した。一方、早期にワクチンに活路を求め、研究開発や接種拡大を推進した姿勢は高く評価。「国民の生命、生活に計り知れない恩恵をもたらした」などとたたえた。
 報告書は約150ページ。下院の両委員会は昨年10月から合同で検証作業を進めていた。英国のコロナによる累計死者数は今月12日時点で欧州最多の約13万8000人。ワクチン接種は12歳以上の8割弱が全2回を終えている。

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