健康お助け賢く 日本サプリメント協会理事長に聞く 薬と併用なら医師に相談 「病治る」疑って

2021年10月14日 07時42分

サプリメントの取り方について話す後藤典子さん=東京都千代田区で(撮影時のみマスクを外し距離をとって撮影しています)

 手軽に栄養が補えるとして需要が高まっているサプリメント(栄養補助食品、以下サプリ)。病気の治療や気になる症状の緩和を目的に飲んでいる人もいるが、薬との併用で健康を害する危険も。賢いサプリの取り方をジャーナリストで一般社団法人「日本サプリメント協会」理事長の後藤典子さんに聞いた。 (長久保宏美)
 −どうして本格的にサプリを調べるようになったのですか。
 一九九九年ごろ、雑誌の企画であるサプリの取材をしたとき、会社の方が「子どもからお年寄りまで糖尿病もがんも治る」みたいなことを言う。私は当時、体が弱く、しょっちゅう風邪をひいていたので、免疫力が高まると思って買って飲んだら、翌朝、顔が赤く腫れ、体に赤い斑点が出た。熱が出て下痢もしたが、商品に注意事項はなかった。それで正確な情報を集めて中立的な立場で発信していこうと、NPOを設立しました。
 −サプリを取る際の注意点を教えてください。
 薬を飲みたくないからサプリを飲むというお年寄りがいます。血圧を下げたい、血糖値を下げたいと。あるいは血圧を下げる薬を飲んでいるのに、「血圧高めの方に」とうたったサプリも取っているという方が結構多い。医師に内緒でサプリを飲んでいる人も。言うと怒られるから黙って、というのは危険なことにつながる可能性があります。
 −サプリを飲んでいることを医師が知らなければ、薬効の判断を誤ることもあると。
 そう。薬とサプリの相乗効果で、例えば血圧なら下がり過ぎてしまうこともある。それと表示の問題。例えば「特定保健用食品」(トクホ)や「機能性表示食品」は法律である程度、健康に関する効果効能を表示できるが、一般のサプリは表示できません。しかし広告に「末期から回復」という表現や体験談を載せてアピールする。がんとは書いてないけれど、「がんが治った」というような印象を抱かせる。「病気が治る」と連想させるような商品は疑ってかからないといけないです。
 −後藤さんがサプリを取る際、心掛けていることは何ですか。
 まず偏った取り方をしないということです。例えばビタミンBだけ多く取るというのはよくない。それと、素材に近い状態のサプリを取るようにしています。私はきなこ(粉末)やコラーゲンの原末を食べています。
 −高齢者が健康を維持する上で、大事なことは何だと思いますか。
 サプリの宣伝文句をうのみにせず、最低限の知識を持つ必要があります。他人任せにしないこと。それとバランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠が基本です。健康の問題を全部サプリで解決しようと思ってはいけません。サプリは補助役です。まずは朝歩くだけでもいいので、行動しましょう。

後藤さんが理事長を務める協会がまとめた「サプリメント健康事典」(集英社)

【適切なサプリ摂取のポイント】

*医薬品を飲んでいる人は、主治医に内緒で摂取しない
*1日の摂取量を守る
*商品の表示内容をよく確認する
*医薬品との違いを理解する
*他人の評価や効能をうのみにしない
*契約・販売トラブルは「188番」へ

◆体調不良、解約できず… トラブル訴えも

 国民生活センターによると、2020年度の健康食品に関する相談のうち、けがや病気になったという「危害情報」を含む相談は全国で3526件あった。このうちサプリメントが含まれる「その他の健康食品」に関するものは2175件だった。
 また、寄せられたすべての危害情報を年代別にみると、20〜60歳代の各年代で「健康食品」が1位を占めた。50代が953件(27%)と最も多く、次いで40代、60代と中高年が多い。
 相談内容は「酵素サプリメントを飲んだところ血圧が高くなり、医師からサプリメントに原因がある可能性が高いと言われた」(30代女性)といった体調に関するものや、「解約に応じてもらえない」など販売に関する相談もあった。
 一方、2018年に同センターが「過去1年以内に錠剤またはカプセル状の健康食品を摂取した人」を対象に行ったアンケート(約1万人)では、「約20%の人が病気の治療・緩和のために飲んでいると考えられる」という結果が出た。栄養補給以外に、病気や諸症状の改善がサプリ摂取の主な理由になっていた。
<ごとう・のりこ> 同志社大学文学部卒業後、政治・経済評論をテーマに執筆活動を行う。サプリメントに関する虚偽・誇大な表示のまん延に疑問を感じ、2001年に日本サプリメント協会を発足。講演活動も行っている。NPO法人「食品機能性委員会」理事長も務める。

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