柔道の父・嘉納治五郎の書を寄贈 教え受けた田中さんの孫が安中市に

2021年10月14日 07時48分

寄贈式に出席した駒崎さん(中)=安中市役所で

 講道館柔道の創始者、嘉納(かのう)治五郎(一八六〇〜一九三八年)の直筆の書が、安中市に寄贈された。嘉納が掲げた理念「精力善用」とあり、嘉納が市内の柔道家故・田中良三さんに与え、田中さんの孫が寄贈。市役所本庁舎一階市民ロビーに飾っている。
 田中さんの親族によると、田中さんは一八九八(明治三十一)年生まれ。旧制高崎中在学中から柔道の修行を始め、素養を見込まれて講道館にも通い、嘉納に教えを受けた。大外刈りの名手として知られ、一九三八年の全国大会で準優勝するなど活躍。最終段位は八段で、同市中宿に柔道場を開いて普及にも尽力した。
 書は縦約六十センチ、横約百七十センチ。昭和初期に嘉納から授与され、昭和三十年代に柔道場を閉めるまで場内に掲げていたという。
 講道館によると、「精力善用」とは心身の力を最も有効に使用するという意味。嘉納は「柔道の修行上最も大切な教えであるが、また人生各般の目的を達するためにも必要な教えである」と説いた。
 書は田中さんの孫、安中市中宿の駒崎邦夫さん(58)が保管していた。嘉納は五輪招致に尽力したため、東京五輪・パラリンピックの開催に合わせて寄贈した。
 今月初めに市役所で寄贈式があり、親族代表として駒崎さんと茂木英子市長らが出席。駒崎さんは「書は祖父そのもののような存在。書から何かを感じてもらい、皆さんの目標を追求する糧にしてもらえれば」と語った。(安永陽祐)

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