富士宮市議会 不祥事相次ぎ欠員5 市民「補選より定数削減」 17日告示 立候補10人前後か

2021年10月14日 07時49分

5議席を巡って補選が行われる富士宮市議会(9月の議長選)=富士宮市役所で

 不祥事による議員辞職が相次いだ富士宮市議会の補欠選挙(被選挙数五)が十七日、告示される。市民は市議会に不信感や危機感を募らせ、「必要なのは定数削減では」との声も上がる。そんな異常事態での補選には、五議席を巡り十人前後が立候補を準備している。国政選挙に隠れ気味だが、こちらの激戦が問いかける意義は−。(佐野周平)
 「現状の十七人でも立派にやっている。それに応じた数字で十分じゃないか」
 須藤秀忠市長は今月上旬の会見で、皮肉も交えながら定数削減の必要性に言及した。市長と市議会は、車の両輪にたとえられる。須藤市長は、市議会の現状に「片側のタイヤがパンクしているのと同じ」と批判。市議会一般質問で、共産議員が一連の発言撤回と謝罪を求める一幕もあった。
 市議会では五月以降、女児盗撮や議長選を巡る贈賄(申し込み)事件で三人が逮捕、書類送検されて辞職。死去した人、衆院選出馬のため辞職した人を合わせた現欠員は五で、公選法の規定により補選を行う。
 九月に当時の議長が議員辞職し、新議長に選ばれた小松快造さんは「いばらの道を歩く覚悟」と決意を表明。手始めに倫理条例の制定を目指しているが、市民の反応は芳しくない。男性会社員(48)は「条例をつくっても、どれだけ効果があるのか疑問」と話す。
 補選の経費は約三千万円と見込まれ、市民からは「選挙するより定数を減らして」と議員の数に目が向けられるように。小松さんは九月の議長選の所信表明で定数削減に関する議論を始める考えを示しており、「できれば補選後には始めたい」と語る。
 富士宮市議会の定数二二は多いのか。富士宮市は人口約十三万人で、同規模の県内他市と比べると、一般的な部類といえる。
 議会内では「市の面積が広く、人口が密集した都市とは事情が違う」「一連の不祥事は議員個人の質の問題」など、定数削減に否定的な声が目立つ。「必要性は感じないが、まっとうな理由で反対しても保身だと受け取られかねない」と、対応に悩む議員もいる。
 二十四日投開票の補選には十人前後が立候補の構え。その中には「不祥事の内容が悪質で、周りに聞くと市議会に対する諦めムードが強い。こんな状況じゃなければ、立候補しようと思わなかった」と、現状に対する危機感から立ち上がった人もいる。
 静岡大の井柳美紀教授(政治学)は「定数を減らせばいいという話でもない。地方議員のなり手不足が問題になる中、いかに議会の機能を維持していくかも大事。選挙では、政策だけでなく倫理面でも、政治への信頼を回復する機会にしてほしい」と期待する。

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