男が突然やってきて「あなたを殺せと言われて」…訴訟相手の殺害を指示した疑い、進学塾の元社長を逮捕

2021年10月14日 10時53分

豊川正弘容疑者=2007年撮影

 訴訟相手の会社役員の殺害を知人に指示したとして、愛知県警中署は13日、殺人予備の疑いで、名古屋市昭和区、無職豊川正弘容疑者(71)を逮捕した。署は、豊川容疑者の指示を受けて会社役員を脅したとして、知人の男(37)も脅迫容疑で逮捕した。
 逮捕容疑では、豊川容疑者は民事裁判で係争中の会社役員の男性(71)を殺害する目的で、男性の写真などを載せた紙をつくって知人の男に渡し、11日午後9時10分ごろ、名古屋市東区の公園で男と会い、「殺した写真撮ってこないとお金は渡さんぞ」と言って殺害を指示したとされる。
 署によると、豊川容疑者は「まったく身に覚えがない」と容疑を否認している。知人の男は、豊川容疑者について「以前知り合ったおじさん」と話し、「頼まれたからやった」と、指示を受けて男性宅を訪れ脅した容疑を認めている。
 豊川容疑者はかつて、東海地方で進学塾を展開する企業の社長を務めていたが、暴力団の資金源とされる風俗店グループと取引していたとして2014年に社長を辞任。
 関係者によると、豊川容疑者が社長を退いた当時から、男性との間に企業の運営を巡るトラブルがあったという。

◆「まさか殺し屋の標的になるとは」

 「あなたを殺してくれと言われている」。突然、自宅玄関に現れた大柄な男にこう言われた会社役員の男性は、男を諭して自分の身を守った。男性は本紙取材に、その異様な約2時間を振り返った。
 男が訪れたのは12日午後3時50分ごろ。
 「この写真はあなたに間違いないですか。あなたを殺してくれと言われています」「あなたは狙われていますよ」。淡々とした口調で話し掛けてきた。
 手にしていたのは、自分の名前と写真が印刷されたA4用紙。異様さと不気味さを感じたが、口調や表情から本当に自分を殺そうとしているとは思えない。刃物などを持っている様子もない。
 男に素性を尋ねた。質問を重ねると名前を明かし、「本当は殺したくない」と言い出した。さらに事情を聴いていくと「あなたぐらいの年の男から殺害を頼まれた」と打ち明けた。
 男性が「警察に行って話をした方がいい」と言い、実際に中署に通報したが、逃げる様子もなかった。
 駆け付けた中署員が男から事情を聴き、報酬が渡される予定だったという場所で署員が張り込んでいると、豊川容疑者が現れたという。
 男性には心当たりがあった。豊川容疑者が以前社長を務めていた会社と関わりがある人物から、トラブルの相談を受け、自身も巻き込まれていた。豊川容疑者とは2015年に会って以降、顔を合わせていない。「まさか殺し屋の標的になるとは」と驚いていた。

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