日大理事長を任意聴取 理事ら逮捕後初めて 被害届要請に「損害はない」

2021年10月15日 06時00分
田中英寿理事長=日本大学ホームページより

田中英寿理事長=日本大学ホームページより

 日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事を巡り、大学の資金2億2000万円が外部に流出したとされる事件で、東京地検特捜部が日大理事らを背任容疑で逮捕した後初めて、田中英寿理事長(74)を任意で事情聴取していたことが関係者への取材で分かった。流出と同じ時期、田中理事長に3000万円が渡っていたことも判明。特捜部は流出への関与や金銭の趣旨について確認したとみられる。

流出と同時期、理事長に3000万円

 関係者によると、聴取は田中理事長が入院する都内の病院で13日に実施。田中理事長は、事件への関与をあらためて否定したとみられる。一方、流出で日大が負ったとされる2億2000万円の損害について、大学の代表として被害届を提出するよう特捜部に求められたが、田中理事長は「損害は受けていない」などと拒否したという。
 特捜部は今月7日、日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)と、大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)を背任容疑で逮捕。田中理事長の自宅もあらためて家宅捜索した。井ノ口容疑者は田中理事長の「側近」とされる。
 日大は板橋病院の設計・監理業務を都内の設計事務所と契約。特捜部の調べなどによると、井ノ口容疑者らは昨年8月、日大から設計事務所に支払われた着手金約7億3000万円のうち2億2000万円を、籔本容疑者が全額出資する都内の医療コンサルタント会社に送金させたとされる。
 この後、「錦秀会」の関連会社から井ノ口容疑者側の会社に、流出した2億2000万円とは別の6600万円が提供されていた。また同時期、籔本容疑者側から田中理事長にも別の3000万円が渡っていたとみられ、特捜部は不透明な資金の流れを調べているもようだ。

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