衆院選、与野党の対立軸鮮明に 「負の遺産」再調査は? 原発依存脱却は? 辺野古新基地は?

2021年10月15日 06時00分
 衆院が解散され、31日の衆院選投開票に向けて各党の政策論争が本格化する。有権者は就任間もない岸田文雄首相(自民党総裁)に信任を与えるのか、立憲民主党を中心とした野党を選ぶのか。「くらし」「多様性」「いのち」以外にも与野党の対立軸が明確な政策課題は多い。論点を整理した。(清水俊介)

衆院が解散され、議場を後にする議員たち

◆説明しない政治

 8年9カ月続いた安倍・菅政権は「官邸一強」の政治状況を生んだ。森友・加計学園や「桜を見る会」の問題で官僚の忖度そんたく、公文書改ざん、行政の私物化疑惑が浮上しても丁寧に答えない「説明しない政治」が常態化。前政権の「負の遺産」の総括は重要な論点だ。
 首相は臨時国会の各党代表質問で、森友学園を巡る公文書改ざんの再調査を行うか何度も問われたが「結論が出ている」と一貫して否定的だった。
 「政治とカネ」問題も焦点となる。2019年の参院選広島選挙区の買収事件で、自民党本部が提供した1億5000万円が買収の原資になったとの疑念は消えないが、首相はこの問題でも再調査に後ろ向きな姿勢を示している。
 自民党の甘利明幹事長の金銭授受疑惑を巡っても、野党は国会の政治倫理審査会で説明するよう求めたが、与党は応じなかった。
 立民の枝野幸男代表は14日、本紙などのインタビューで「隠す、ごまかす、改ざんまでする。表紙だけでなく、政治そのものを変えなければならない」と主張。政権を獲得した場合、一連の問題を調査する首相直轄の真相究明チームをつくると公約した。

◆一本足打法は無理?

 政府は50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を打ち出し、温室ガスを30年度に13年度比で46%削減させる目標を掲げる。実現のため、発電時に温室ガスを排出しない原発に依存するのかは与野党の対立軸だ。
 自民党は公約に、原発は「カーボンニュートラルに不可欠」と明記。首相は14日の記者会見で、デジタル社会の進展で電力使用量が大幅に増えるとして「再生可能エネルギーの一本足打法では十分対応できない。選択肢として用意しておくべきだ」と強調した。
 立民、共産、社民、れいわ新選組の野党4党は共通政策で「再生エネの拡充により、原発のない脱炭素社会の追求」を掲げた。立民は公約で「原発の新増設は認めず、国の監督と責任の下で廃炉を着実に進める」と打ち出した。

◆核なき世界どう実現?

 安倍・菅政権の間に、安全保障関連法の制定によって日米の軍事一体化が進んだ。立民など野党4党は、安保法で可能となった集団的自衛権の行使など「違憲部分の廃止」を掲げた。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡っても、工事推進を掲げる自民党と中止を求める野党4党との違いは鮮明だ。
 被爆地・広島選出の首相は就任後に「核兵器のない世界」を目指す決意を示した。しかし、核兵器禁止条約の批准や締約国会合へのオブザーバー参加には「現実を変えるためには核兵器国の協力が必要。条約には核兵器国は1カ国も参加していない」と否定的。立民や与党の公明党はオブザーバー参加を訴える。

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