<衆院選2021 託す思い>大川美術館長・田中淳さん(66)「文化痩せないか心配」

2021年10月15日 07時48分
 衆院が14日に解散されたが、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着くに伴い、外出の自粛などで打撃を受けた人々への対策が急務になりつつあり、争点の一つに浮上しそうだ。群馬県の私立美術館長に衆院選へ託す思いを聞いた。

美術館の厳しい現状を語る田中さん

 新型コロナウイルスの感染拡大で昨年、来館者が三〜四割ほど減りました。特に県外の来館者は激減しました。私立の当館にとって、入館料やグッズの販売は収入の柱の一つ。昨年は収入全体でも三〜四割の減少となりました。
 それにより、緊縮を余儀なくされています。展覧会では、所蔵する個人や美術館から作品をお借りすることもありますが、美術品専用車の輸送はかなり費用がかかるので控えています。館内カフェの平日の営業も自粛しています。展覧会でアーティストが作品の前で集まった来館者に説明する機会を設けたかったのですが、できませんでした。
 コロナ禍で個展が中止になったり、勤め先にリストラされたりとアーティストも苦境に立たされています。文化が痩せてしまわないか心配。作品の前に立ち、向き合う鑑賞体験は大切です。不要不急と言われますが、美術館は必要。諦めずに良い展覧会を見てもらえるように努めています。
 困っている芸術関係者はいっぱいいます。国の芸術への支援制度はありますが、必要なときに必要なところにまだ届いていないと感じます。もっと政治が芸術にも目を向け、予算を割いて支援してもらいたいです。(安永陽祐)

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