「4608台」都内で増える、あのクルマの台数<深掘りこの数字>

2021年10月17日 05時50分
 調理施設のある「キッチンカー」への参入が加速している。テレワークによる都心の出社率低下などで、機動的な移動販売が注目されているためだ。
 東京都によると、都内の営業許可を得たキッチンカーは今年3月末で4608台。前年同期に比べ456台増えた。2011年(2166台)から10年で倍増した。
 キッチンカーを製造するフードトラックカンパニー(目黒区)は「受注台数の月間平均が19年は10台だったのに対し、20年は20台、21年は30台」と説明。イベントも今後増える見通しで「再び出店しやすい状況になっている」とみる。
 移動販売を新たに始める飲食店に、都が上限100万円を助成する事業では、昨年4月以降で512件が採択された。「第6波」への懸念など、先行きを見通せない危機感も、新たな営業手段となる移動販売の参入を後押しする。
 右肩上がりのキッチンカー台数だが、実は廃業も多い。都によると、20年度の新規許可数は1001台。一方、廃業も545台に上った。
 キッチンカーが集まる「大手町川端フードガーデン」(千代田区)を運営し、自らも移動販売を14年間手がける中野敏行さん(60)は「参入が増えて売り場を見つけられず、身動きがとれない人もいる」と語る。
 コロナ前は「3年後に残るのは3割」とされた業界だが、もっと厳しくなるとみている。「生き残るために研究と努力を」と呼びかける。(石川修巳)

おすすめ情報

東京けいざいの新着

記事一覧