17年衆院選の自民公約達成度を点検 女性活躍や多様性は党内反対で進まず、子育て環境整備には一定の成果

2021年10月16日 06時00分
 衆院選が21日の議員任期満了を越えて実施される。政権与党の自民党は任期4年間で公約をどの程度、達成できたのかが問われる選挙戦となる。本紙が2017年衆院選の党公約を点検すると、子育て政策などで一定の結果を出した一方で、女性活躍や多様性の分野は未達成が目立った。国民への説明責任や公文書管理は、安倍・菅両政権の「負の遺産」の影響で達成にはほど遠い。(上野実輝彦、山口哲人)

◆抽象的で検証不可能

 自民党は17年公約で257項目を掲げた。山本拓政調会長代理は取材に「景気は確実に回復し、憲法改正は憲法審査会で丁寧に議論をやって国民投票法も改正した。75点程度の合格点」と胸を張る。
 だが、抽象的な目標や意欲を記しただけの項目が並び、事後の検証が不可能な内容も多い。そのため、数値目標や期限が示された項目を中心に分析した。
 「3〜5歳児の幼稚園、保育園費用の無償化」は19年10月から制度を開始。一部の施設が対象外となる課題も残ったが、子育て世帯の一定の負担軽減につながった。待機児童の解消は未達成だが、20年4月は過去最少となった。
 21年公約では解消から「待機児童の減少を目指す」へトーンダウン。岸田文雄首相が総裁選で掲げた「こども庁」の創設は、所信表明演説や公約に盛り込まれなかった。

◆改憲は達成できず

 取り組みが不十分だったのは、指導的立場の女性の割合増加など女性活躍や多様性の政策だ。
 自民党は17年公約に「性的少数者への理解増進法案の制定を目指す」と明記。関連法案について、5月に与野党協議でいったんは合意したにもかかわらず、党内の保守派が強く反対して国会提出を見送った。
 改憲では、改憲手続きを定めた改正国民投票法を一部野党が反対する中で成立させた。改憲の国会発議を目指すとも掲げたが、当時の安倍晋三首相が「20年改正憲法施行」と期限を区切って推し進めようとしたため、国会で合意を得られなかった。沖縄県名護市辺野古へのこでの新基地建設は、県民の多くが反対する中で強行し続けている。
 公文書関連では、17年公約に「適正な管理に努める」「情報公開、説明責任を全うする」と盛り込んだ。森友学園問題の公文書改ざんや「桜を見る会」の行政私物化疑惑への政権の対応を見れば、達成度を検証するまでもない。

おすすめ情報

政治の新着

記事一覧