デジタル庁の民間登用は98%が非常勤 企業との兼務で癒着防止に甘さ?

2021年10月16日 06時00分
 9月に発足したデジタル庁で、民間から登用された職員約250人のうち、非常勤が98%を占めていることが分かった。非常勤職員には国家公務員の兼業規制が適用されず、その多くが出身企業の業務にも従事している。政府のデジタル事業の権限と予算が集中する同庁に対し、兼業する企業との癒着防止策の甘さを指摘する声も内部から上がっている。(坂田奈央)
 同庁の職員約600人のうち、前身の情報通信技術(IT)総合戦略室からの職員も含め、民間出身者は約250人を数える。同庁は民間出身者の勤務形態の内訳を公表していないが、国民民主党の伊藤孝恵参院議員への説明によると、常勤は10月初旬で3人のみで残りは非常勤だった。非常勤職員の勤務日時は週2〜3日や毎日数時間などさまざまで、中には兼業する企業で同庁の業務をする職員もいるという。
 政府のデジタル事業の発注を一手に担う同庁では、事業を受注する企業との癒着防止が発足前から課題となっている。そのため、民間出身の職員が関与する事業に対して、兼業する企業からの入札を禁じる規制を設けた。だが、職員が「兼業先と情報交換を行っていない」などとする申請を同庁が認めた場合、一転して入札が可能になる例外規定も入った。
 癒着防止の規制に関して、同庁が9月末に開いたコンプライアンス委員会では「企業が本当に落札したい案件であれば、誰が誰とどんな接触をしたかは隠蔽いんぺいするだろう」とする懸念が有識者から上がった。また「企業側への事後的なペナルティーが必要だ」と規制強化を注文する声があった。
 内部からも癒着防止への規制が甘いという指摘が出ていることについて、牧島かれんデジタル相は本紙などの取材に「問題が起きたら、監査する仕組みがあり、(事業の)契約も打ち切ることができる」と説明している。

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