駒込の墓前に名誉挽回報告 領地だった静岡・牧之原 意次の銅像建立

2021年10月16日 07時21分

今年5月に静岡県牧之原市に完成した田沼意次の銅像=市提供

 江戸時代の老中・田沼意次の領地だった静岡県牧之原市(かつての相良藩)に今年五月、全国初となる意次の銅像が完成。同市の関係者らが十四日、田沼家の菩提寺(ぼだいじ)である豊島区駒込の勝林寺を訪れ、意次の墓前に報告した。新型コロナウイルス禍で控えていた墓参りが、ようやく実現した。(宮崎美紀子)
 時代劇では「わいろ政治家」として悪役に描かれることが多かった意次。しかし近年は商人からの税金徴収や蝦夷地開拓、貿易振興などの経済手腕が再評価されている。同市は二〇一九年の意次生誕三百年を機に、名誉挽回に取り組んできた。銅像建立は、その一環。
 同市・相良城の跡地に立つ銅像は「歴代老中の中で、大奥で一番モテた」との説もある四十歳ごろのりりしい顔立ち。費用は市民らからの寄付金約八百六十万円が充てられた。本紙が昨年三月に募金活動を報じたところ、東京からも個人の寄付が集まったそうで、記念事業実行委員会の河野研司委員長(63)は「“江戸の心意気”を感じました。今日は意次侯に東京の人たちへの感謝も伝えたい」と話した。
 一行が訪れたこの日、同寺の窪田充栄住職が本堂と墓前でお経を上げ、河野さんらは意次の顕彰をさらに進めることを誓って墓を丁寧に掃除した。
 来年度からは意次を描いた漫画が市内の小中学校の教材になると言い「今やわが街のヒーローですよ」と顔をほころばせた。

田沼意次の墓(後方)に銅像完成を報告した静岡県牧之原市の関係者と、勝林寺の窪田充栄住職(左端)=豊島区駒込で


関連キーワード


おすすめ情報

東京の新着

記事一覧